朝夕ずいぶん涼しくなり、やっと一息という感じ。
さて、週明け9月23日のNY金は4営業日続伸した。
先週開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)が通常の2倍の0.50%の利下げを決めたことと、その後複数の米連邦準備理事会(FOMC)高官による大幅利下げと今後の連続的利下げを支持する発言が続いたことから、NY金は23日まで終値ベース3営業日連続で過去最高値を更新して終了。23日の通常取引は先週末比6.30ドル高の2652.50ドルで終了。
この日の高値はNY時間午前中ごろに付けた2659.80ドルで、9月に入って6回目の取引時間中の最高値更新となった。 23日はアジア時間の午後、ロンドンの早朝の時間帯に買い優勢となり2656.00ドルと前週末に付けた2651.00ドルのこれまでの最高値をこの時点で更新。イスラエルとレバノンの親イラン民兵組織ヒズボラの対立が激化し、イスラエル軍がレバノンのヒズボラ拠点への空爆を激化させたことで、地政学リスクの高まりが意識された。
しばらく高値水準に滞留した後に一転売り優勢に転じ、NY早朝には一時2638.60ドルを付け、これが安値となった。この日国連総会出席でニューヨークに滞在中のイランのペゼシュキアン大統領が、イスラエルも歩み寄ることが前提ながらイランは地域を不安定化させようとしていない旨の発言をしている。
その後、NY時間に入り、S&Pグローバルが発表した9月の米PMI(購買担当者景況指数)速報値で製造業が47となり、23年6月以来、1年3カ月ぶりの低水準を記録した。この指標は最も早く足元の状況を示すことから、9月初めの段階で落ち込みが進んでいることがわかる。新規受注の悪化や大統領選を含む米政治の不透明さを映したものとされる。ちなみにサービス業は55.4と50以上を維持しているものの前月から0.3ポイント落ちている。
結果は、FRBによる利下げに沿った内容と受け止められNY金は再び騰勢を強め、時間外に付けていた最高値をさらに上回った。
FRB高官の発言では、先週末にウォラーFRB理事が今回0.50%の利下げを支持したとし、インフレが想定以上に軟化しつつあることを挙げ、労働市場を巡る不安ではないとしていた。 「労働市場のデータが悪化する場合、あるいは誰もが想定していた以上にインフレデータが軟化し続ける場合は、より速いペースで行動する可能性もある」と発言し、先週末のNY金の買い手掛かりとなっていた。
23日も、ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁など3名が積極的な利下げを支持したと表明した。
カシュカリ総裁は今年FOMCの投票権を有していないが、最近までタカ派的な立場で、インフレ抑制に向け引き締め政策をより長く続ける必要があると主張していた経緯がある。
何だかんだ言いながら、押し目待ちに押し目無しだが、NY先物のネットロングが1000トンに接近している。
調整のきかっけ待ちに見える。