亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

益出し売りに沈むNY金

2025年01月28日 20時12分22秒 | 金市場

週明け1月27日のNY金は比較的大きく反落した。

昨日ここに、NYコメックスの買い残(ネットロング)が、最高値の更新を続けていた10月来の高水準として、内部要因からの過熱感を指摘したが、27日週初のアジア時間から売り優勢の流れに転じていた。

最高水準の買い残は、上昇基調(モメンタム)に陰りが出ると売り先行の流れに傾きやすい状況にあった。

27日は、そこにNY株式市場でハイテク株が大幅安となり、ナスダック総合株指数は前日比612.47ポイント、3.07%安の1万9341.83と昨年12月18日以来の下げ率に。これまでAI(人工知能)をテーマにした相場をけん引してきた象徴銘柄エヌビディアが1日で一時18%安となるなど大荒れの中で、もともと下げていたNY金だが、現金捻出(cash-out)の益出し売りが下げ幅を大きくした。NYコメックスの通常取引は、前週末比40.50ドル安の2738.40ドルで終了した。

 

27日の米株式市場では、中国の新興企業DeepSeek(ディープシーク)が公開した低コストの人工知能(AI)モデルを受け、AIの収益性や先端半導体への旺盛な需要に対する投資家の 警戒が広がりハイテク株が売り込まれた。俄かに浮上したDeepSeek(ディープシーク)。AI分野で米欧企業の優位性を崩すとされるが、どの程度のものなのか。人により評価に温度差があるようだ。

資金の流れは、米国債に向かい指標となる10年債利回りは一時4.501%と5週間ぶりの水準まで低下した。

 

トランプ新政権の動きとしては、報じられているように26日トランプ大統領は、強制送還される不法移民を巡る対立を理由にコロンビアに25%の関税を賦課するといったん表明。ただその後に両国はこの問題で合意に達し、トランプ氏は関税を保留すると発表した。いわゆる関税発動をちらつかせ相手に譲歩を迫るトランプ・ディールの第2次政権下での最初のケースといえる。

先週は、中国とカナダ、メキシコ、欧州連合(EU)に対して行動を起こすと脅している。また、石油輸出国機構(OPEC)に対して原油価格引き下げを働き掛けると発言。原油価格が下がれば、米連邦準備理事会(FRB)に対し即座に利下げを要求するとしている。また原油価格の低下によりロシアの収入が減り、ウクライナでの戦争終結につながるとの考えを示している。

 

そのFRBは本日28日から2日間の日程で連邦公開市場委員会(FOMC)を開催する。政策金利の据え置きが織り込まれている。利下げ圧力を掛けるトランプ大統領の発言もあり、会議終了後の記者会見にてパウエル議長の発言が注目されている。

 

さて2025年金市場を見る6つの視点 第4弾 YouTube公開です。

 

 

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