今週2月20日(木)の独自セミナーの最終的な詰めをやっている。
週明け月曜日は連載原稿やレポートが重なることから、本日は夜の作業となる。直前に見直すのは、時事性を盛り込んだり、直前まで起きることで(今後を考える上で)相応の意味があると思うものは、予定を組み替えても取り上げていることによる。
もともと自分自身がマクロ的な観点からゴールドを捉えるということをやっているので、いま足元で起きているNY金先物価格つまりNY金とロンドン現物価格(スポット価格)の価格差拡大の鞘取りの仕組み(スキーム)などは取り上げない。
最近のYouTubeでも取り上げたが、金市場の参加者が急速に拡大した結果、需要構造に大きな変化が生まれており、価格形成も変わってきている。
こうした現物需要の高まりの中で、市場に出回る現物の品薄感も指摘されている。
そこにトランプ政権による包括的な関税賦課の対象にゴールドなど貴金属も含まれるとの憶測が広がった。
この話でNY金に買いが目立ち始めたのが24年12月初旬のこと。さらに25年に入り先物買い先行の動きが加速し、徐々にロンドン現物(スポット)価格との価格差が開くにつれ価格差を利用して利益を得ようとの動きが活発化した。
NY金を売り、割安のロンドン現物を買いNYに移送し値鞘を抜こうという取引だ(アービトラージ、裁定取引)。
現物が調達できるとリスクなしで儲かる。金価格の見通しなど関係ない世界だ。
この2月にかけて数百トン規模の現物がNYコメックスの指定倉庫に移送されたとされる。ところが一方で借り入れを含め現物の調達が思い通りに進まない状況が伝えられてきた。こうした特殊事情も価格上昇につながったのは事実だろう。
このところの金市場を巡りこの話題がメディアでも取り上げられ、移送される金地金の量が増えている事実と、調達条件が厳しくなっていること、さらに裁定取引(鞘取り)のスキーム(仕組み)の解説が業界関係者により語られている。
しかし、肝心の移送された金地金を誰が引き取っているのかの話は聞こえてこない。
JPモルガンやHSBCなど大所が絡んでいるのだが、もちろん特定は難しい。既成事実を積み重ねながら類推を働かせ、その推測の確度を自分なりに判定していく作業となる。答えが短期間で出るものは少ない。数カ月かかるもの、不明のままなもの、様々だ。
もう一度セミナー案内掲げます。 奮ってご参加ください。
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