7月16日のNY金は続伸し前日比38.90ドル高の2467.80ドルで終了。
5月20日に付けていた終値(2438.50ドル)及び取引時間中の最高値(2454.20ドル)を更新して終了した。
昨日も同様のことを書いたが、金市場にありがちな何かのイベントに反応した最高値更新ではなく、静かにかつ力強く水準を切り上げた。
一連の米経済指標が減速傾向を示す中で高まってる9月利下げ観測に加え、株式市場で高まっている「トランプ・トレード」の波及もあり、16日もアジア時間からNY終盤まで買いが先行する流れが続いた。
金市場の内部要因として特筆すべきは、北米投資マネーの金市場への流れを見る上での指標の一つ、金ETF(上場投資信託)の最大銘柄「SPDR(スパイダー)ゴールド・シェア」の残高が7月に入り増えていること。
16日は1日で5.49トンの残高増が確認された。金ETFは欧米投資家の売りで、今年の1~3月期まで8四半期連続で残高が減少し、その累計は736トンにも上っていた。それでも金価格が上昇したのは新興国中銀や中国やインドなど幅広い個人の草の根的な買いがあったことによる。ただし月次べースで見ると欧米投資家は5月、6月とわずかながら金ETFの買い越しに転じていた。
欧州が中心で北米では積極的な買いは見られなかった。
足元の「SPDR(スパイダー)ゴールド・シェア」の残高増は、状況の変化を映しているものといえる。米連邦準備理事会(FRB)による利下げへの政策転換を読んだ欧米投資マネーの再流入が、最高値更新につながっているのは間違いなかろう。
市場関係者が待ち望んでいた展開だが、継続の有無はFRBと同じだが、「指標次第」といえる。