日本時間の早朝に流れたトランプ裁判の有罪評決。
陪審員全員一致が条件に付き、こんなに早く結論が出ると思っていなかったし、流れる可能性も考えていた。
それにしても当事者で、あのキャラからトランプ発言は想定通りだが、下院議長までもが単なる非難でなく自国の司法制度を否定する状況は、米国の権威を失墜させながら進行している米国政治の分断を実感させる事態といえる。いずれにしてもこの秋の米国政治は荒れそうだということ。
年初にユーラシアグループが発表した24年のトップリスクは米国政治で米国の自壊だったが、半年近く経過する現時点でも変化なしと言える。
米国の政治リスクは地政学リスクに入るが、軍事的衝突(戦争状態)という点でも30日はニュースがあった。
バイデン政権がウクライナに対し、米国が提供した武器でロシア国内を攻撃することを一部許可したというものがあった。
米ロ間の緊張の高まりを割けるために課してきた制限の一部緩和に踏み切るという。ただし、国境近くに展開する軍部隊に限定するもので、ロシア国土の奥深くに長距離の攻撃をすることは引き続き禁止とされる。
結局、こうして事態の変化に対応しながら、なし崩し的に制限は緩められるのが戦争だろう。NATO諸国も米国も 関与度が高まっていきそうだ。 そもそもウクライナ情勢に影響を与えたのも、米国の政治分断による支援の中断だった。
金融分野ではロシアの凍結資金の一部をウクライナ復興に使う話も進んでいる。米国のみならず国際的な政治分断も静かに進行している。
金価格をサポートする要因に変化なく、その程度が進行している。
本日は注目の4月米個人消費支出(PCE)価格指数(デフレーター)の発表が控える。エネルギーと食品を除いたコアPCEデフレーターがFRBが注目しているインフレ指標となっている。
ちなみに書くまでもないと思うが、PCE(個人消費支出)をインフレ指標と勘違いしている向きもいるようだが、そちらは金額ベースの増減で個人消費の動向を見るもの。その価格指数(デフレーター)が注目となる。
最新記事も読ませて頂きました。