亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

中国・インド金需要激減、カバーする欧米勢 

2020年04月30日 21時12分47秒 | 金市場
4~6月期に大幅な減少が予想される中で注目された米1~3月期実質GDP(国内総生産)速報値は、前期比年率換算で4.8%の減少となった。3月後半の2週間に経済活動が急停止したことが影響したと見られるが、需要蒸発の下押し圧力は大きいというべきか。GDPの7割を占める個人消費が7.6%の大幅減少となった。ただし、この結果もいわば“大型台風襲来前の突風”という印象で、足元の4~6月期には年率換算で前期比4 . . . 本文を読む
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果樹飲料とドルの価値 

2020年04月28日 19時43分56秒 | 金市場
昨日の日銀の流れで中銀がらみで書くと、インド中銀(インド準備銀行)が27日に国内の投信向けに5000憶ルピー(約7000憶円)の資金供給をすると発表したというニュースがあった。米フランクリン・テンプルトンがインドで運用するファンド6本を閉じるといきなり発表。それに動揺した投資家が他の投信の解約に走る状況が見られたことで、放置して連鎖的に解約が進むと資金ショートから投げ売り状態となると、WTI原油で . . . 本文を読む
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金に負ける円(果敢にリスクを取る日銀) 

2020年04月27日 20時48分36秒 | 金市場
日銀が国債の無制限購入を決めた。通貨のさらなる増発を意味する政策は円安要因ではあるが、先行して可能性が報じられていたこともあり、発表直後にもドル円はさして反応しなかった。その後、じりじりとむしろ円高方向に動き107円に接近する流れとなっている。もともと年間80兆円をめどにした買取りを掲げてきたが、半分も買えていなかった。 もっとも、円安に反応しないのは、(日銀の遥か)後から来て追い越していったF . . . 本文を読む
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待ち構える欧州レスキュー隊(イタリア国債格下げ問題) 

2020年04月24日 20時45分56秒 | 金市場
緊急対応を前面に押し立て、一線を超える政策にズンズン乗り込んでいるFRB(米連邦準備理事会)。実体経済の悪化スピードの余りの速さに、次々と資金供給に乗り出したここまでの展開は、金融レスキュー隊あるいは古い人気映画ゴーストバスターズを思い浮かべしまうほどだ。頭で例のテーマミュージックが鳴り響く、、、と書いてわからぬ人も今や多いかな。。。。こちらに煙が立ち上ると駆けつけてきて大型ホースで水をまき、あち . . . 本文を読む
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マグマうごめく金市場

2020年04月23日 20時58分04秒 | 金市場
以前から何度も書いてきているように、金ETFを通した欧米投資マネーの金市場への流入が続いている。3月は重量換算で151トンの増加がみられ全体の残高は3185トンと過去最高を更新。ここまでは日経でも報じられているのでご存じの方も多かろう。折しも、ドル高の中で自国通貨安が加速させた国内価格急騰や、全土封鎖などから急減しているインドや中国の需要減少分をETFの増加がカバーするかたちで、需給をバランスして . . . 本文を読む
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中国の金価格ディープディスカウント

2020年04月22日 20時04分38秒 | 金融市場の話題
原油市場の異常値に関心が向いている中で、昨日のロンドン時間の中盤からNYの早朝にかけてNY金が50ドルほどのやや目立つ下げを見せ、2週間ぶりの安値となる1666.20ドルまで売られる局面があった。何かあったのかと?思ったが、取り立てて材料が出たわけでもなく、結局、原油暴落の余波で益出しを目的に売られたものかと。21日は代表的な商品指数CRB指数が106.29と急落。過去30年見たことのない水準まで . . . 本文を読む
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原油市場でのダイナミックプライシング? 

2020年04月21日 21時43分01秒 | 金融市場の話題
今朝、目覚めにスマホで見たWTIの価格に驚いた。表示が間違っているのだと思った。それで確認したところ、現実にマイナス価格が発生しているのだとわかり改めて驚いた。WTIの前週末比37.63ドル安のマイナス40.32ドルという清算値は、石油需要の蒸発ともいえる環境変化が、いかに原油の過剰状態を生み出しているかを強烈に印象付けることになった。 およそ商品市況において、マイナスの取引価格の発生ということ . . . 本文を読む
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WTI原油暴落、サウジ保有の金は323トン

2020年04月20日 20時50分58秒 | 金市場
先週末、1700ドル割れを見たNY金の下げ。経済活動再開に向けた米国の動きを好感するとともに、そこに新型コロナ治療薬を巡り前向きな話が流れたことから株価が大幅続伸となる中で、金は売られたということに。目にされた人も多いでしょうが、米医療関連ニュースサイトのSTATが、米医薬大手ギリアド・サイエンシズの新型コロナウイルス治療薬候補「レムデシビル」が重症患者の急速な回復につながったと報じたという話。臨 . . . 本文を読む
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数字の悪さにも慣れが 

2020年04月17日 21時18分02秒 | 金市場
昨日は最後に、「週次の失業保険新規申請件数の発表待ち。昨日の指標が軒並み悪かったので、結果によってはV字型回復という楽観論の後退を映す形で一昨日の1788.80の突破を試す動きか」と書いた。発表された数字は524万5000件というもので、市場予想に沿った結果に。規模としては空前の件数に変わりはないものの、前週まで2週連続で600万件を超えていたこともあり、むしろそれ以上の上振れがなかったことに、安 . . . 本文を読む
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楽観論の後退を映すNY金の上昇

2020年04月16日 20時35分50秒 | 金市場
昨日見ものとして取り上げた15日発表の米経済指標は、報じられたように予想を上回る悪化を示すことになった。表紙の色からベージュブックと呼ばれ、月末のFOMC(連邦公開市場委員会)の政策論議の基礎資料となる「地区連銀経済報告」は、新型コロナ感染拡大により、米国の経済活動は「全ての地区で突然、急激に落ち込んだ」と表現した。まさにその通り、一斉にシュリンクしたわけで、それが人為的に起こされたことが誠に悩ま . . . 本文を読む
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