亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

有事の金、ウクライナ戦でロシアICBM使用

2024年11月21日 20時38分15秒 | 金市場

11月20日のNY金は3営業日続伸。引き続きウクライナ情勢に新たな動きあり、地政学リスクを手掛かりにした買いがNY早朝からNY時間に入り先行した。

前日から伝わるウクライナとロシアの戦闘激化は投資家のリスク回避姿勢につながり、金は買われやすかった。

ウクライナは20日、前日の米国製の長距離地対地ミサイル「ATACMS」に続き、英国製の長距離ミサイル「ストームシャドー」を初めてロシア領に向けて発射した。北朝鮮軍兵士をウクライナ戦線に投入したことへの対応として英国が認めたとされる。2日連続で西側諸国から提供された長距離弾を使用しロシアを攻撃したことになる。

ロシアの侵攻から約1000日が経過し、戦争は新たな段階に入ったとの認識が広がっている。

年明け後に米国にて政権移行が予定されていることも影を落としている。20日、バイデン政権はウクライナに対し2億7500万ドルの新たな軍事援助パッケージを発表。そこには対人地雷供与を盛り込んだ。残された任期の中でウクライナへの軍事支援を強化している。

 

この日プラス圏で取引を終えたダウ30種平均だが、安く推移する時間帯が長く、下げ幅は一時190ドルを超える場面があった。この中でNY金は、前日比20.70ドル高の2651.70ドルで終了。20日のロンドン午前からNY早朝の時間帯は売り優勢となり一時2621.90ドルまで低下。NY時間に入って以降は英国ミサイル使用の話が伝わり買いが先行し、ゆっくりと水準を切り上げながら相場は進行し昼過ぎには2659.00ドルまで買われ、これがこの日の高値となった。そのまま2650ドル台を維持し終了した。

 

本日21日も動き有り、報じられているようにロシアはICBM(大陸間弾道弾)という大仕掛けの攻撃に打って出たと。

ICBMと聞くとまさに核のイメージだが、核弾頭ではなかったのは被害状況から明らかだが威圧的な攻撃であるのは確かだ。西側の出方がそうなら、受けて立つという展開に。

地政学リスクは流動的で予測できず数値化が難しい。したがってファンドの動きも展開に沿ってということになる。

 

足もとでNY金は2675ドル近辺で推移している。 しかし、ICBMと出て来たロシアにウクライナは引き続き長距離兵器を使い続けるのか否か。今頃はウクライナのみならず米国中心に対応を検討中ということだろう。

 

金市場は有事反応となっている。いわゆる「有事の金」の動き。

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