先週のNY市場の金価格は堅調に推移し、前半はこの上半期に中国需要が予想以上に増加していたことを手掛かりに買われ、後半にはFRBによる緩和縮小策の9月着手の見通しから米国長期金利が急騰したことを嫌気するNY株安、ドル安が金価格を押し上げることになった。いずれも先物市場であるNYコメックスで先安期待から売り建てを保有していたファンドが、思惑外れを恐れ買戻しに向かっていることが価格を押し上げている。エジプト情勢の緊迫化など中東の地政学的要因も押し上げ要因になったと見られる。
「市場センチメントなるものは移ろいやすく手のひらを返すように短期間で変わるもの」というのは、セミナーで時折話していることだが、センチメントが極端に悪化したときは言うまでもなく価格も売り込まれているわけで、保有者は諦めモードで値を追うことすらしなくなる。その状態を“記憶喪失”と仲間の一人が株式市場を例に表現していて、言い得て妙と思い時折この話もする。金市場でのファンドの売りにも1ヵ月ほど前までは勢いがあり、下げには売りで追随する(いわゆる)モメンタム系の独断場といえた。勢いのピークは、結果的に6月28日の下げだったが、4本値の日足で下髭の長い形が出たのもこの日。金価格を追っている人の中でも記憶喪失者が激増したタイミングでもあった。
思えば3月以降まさに急落中の6月に掛けて、原稿やセミナーで「金を欲しい人の買い VS (金は要らないが)金価格の変動を欲しい人の売り」とか、「(新興国の)フィジカル・ゴールドの買い VS (欧米ファンド)ペーパー・ゴールドの売り」の構図などなど、いろいろ市場の状況を説明してきた。それらは先週発表された四半期需給統計にて数字の上で証明された。
NYコメックスで手仕舞い売りするものがなくなったファンドはショートに転じ、ETFをこれでもかというほど売った。つまりペーパー・ゴールドを売りまくった。そうした売り物の総量が4-6月期に402トン。対して地金や金貨など現物買いはネットで507トンで四半期ベースで過去最高となっていた。宝飾品は575.5トンとなった。
「市場センチメントなるものは移ろいやすく手のひらを返すように短期間で変わるもの」というのは、セミナーで時折話していることだが、センチメントが極端に悪化したときは言うまでもなく価格も売り込まれているわけで、保有者は諦めモードで値を追うことすらしなくなる。その状態を“記憶喪失”と仲間の一人が株式市場を例に表現していて、言い得て妙と思い時折この話もする。金市場でのファンドの売りにも1ヵ月ほど前までは勢いがあり、下げには売りで追随する(いわゆる)モメンタム系の独断場といえた。勢いのピークは、結果的に6月28日の下げだったが、4本値の日足で下髭の長い形が出たのもこの日。金価格を追っている人の中でも記憶喪失者が激増したタイミングでもあった。
思えば3月以降まさに急落中の6月に掛けて、原稿やセミナーで「金を欲しい人の買い VS (金は要らないが)金価格の変動を欲しい人の売り」とか、「(新興国の)フィジカル・ゴールドの買い VS (欧米ファンド)ペーパー・ゴールドの売り」の構図などなど、いろいろ市場の状況を説明してきた。それらは先週発表された四半期需給統計にて数字の上で証明された。
NYコメックスで手仕舞い売りするものがなくなったファンドはショートに転じ、ETFをこれでもかというほど売った。つまりペーパー・ゴールドを売りまくった。そうした売り物の総量が4-6月期に402トン。対して地金や金貨など現物買いはネットで507トンで四半期ベースで過去最高となっていた。宝飾品は575.5トンとなった。