NY金の高値圏での滞留が続いている。27日は前日比2.30ドル安の小幅反落で2552.90ドルで終了。2550ドルを挟んだレンジ取引だが、前日引値は過去最高値にもかかわらず高値警戒感を感じさせない。27日の上下値幅も20ドル余りで静かな展開で、手掛かりがあればいつでも高値更新につながることを感じさせる展開といえる。
イベントに反応したものでない、マクロ型の高値更新が続きそうだ。
NY金の日々の出来高を見ても過熱感はない。ファンドの利益確定売りに上値は重いものの、売り圧力の強さを感じさせない均衡状態にある。
今週は29日(木)に米4~6月期実質国内総生産(GDP)(改定値)、30日(金)に米コア個人消費支出(PCE)価格指数(デフレーター)の発表が控える。市場では9月の米連邦公開市場委員会(FRB)にて利下げサイクルに入ることを織り込む一方で、利下げ幅が通常の2倍の0.5%になるか否かのヒントを得ようと、これら指標に関心を寄せている。
前日には一服状態となった主要通貨に対するドル安だが、16日も静かに進行しドル指数(DXY)は100.552で終了。1年1カ月ぶりの安値を更新し23年7月に付けた直近の最安値99.741が近づいている。10年債利回りは上昇。景気後退が起こるサインとされ2年超にわたり続いて来た2年債と10年債の利回り逆転現象(2年債>10年債)は、解消の方向に向かっており、27日は一時3週間ぶりの水準に縮小した。
米国関連の指標では、米連邦住宅金融庁(FHFA)が発表した6月の米住宅価格指数は前月比で0.1%低下。前年同月比は5.1%上昇。上昇率は2023年7月以来、11カ月ぶりの小ささだった。同じく6月のS&Pコアロジック・ケース・シラー指数は前月比で0.2%の上昇となり、23年2月以来1年4カ月ぶりの低い伸びとなった。すでに住宅価格がかなり高い水準にあるうえ、高金利が続いていることが重荷となった。一方、コンファレンスボードが発表した8月の消費者信頼感指数は、前月の改定値(101.9)から1.4ポイント上昇して103.3となった。2月以来、6カ月ぶりの高水準となった。市場予想は101.0だった。足元の景況感を示す指数と短期的な見通しを示す指数の両方が改善した。消費者信頼感指数は米個人消費の先行指標とされている。
なお、30日に発表される7月の米コア個人消費支出(PCE)価格指数は、3カ月移動平均が年率換算2.1%上昇に伸びが鈍化すると予想されている。金融当局の目標である2%をわずかに上回る水準となる。