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亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

金ETF残高減少のマグニチュード 

2020年11月30日 22時54分02秒 | 金市場
サンクスギビングの休日明けの11月27日の短縮取引で薄商いの中、NY金は通常取引入り前後の時間帯からまとまった売りが出され、節目の1800ドルを割れると、プログラム売りが膨らみ1770ドル台まで一気に値を崩すことになった。売り一巡後は、買戻しの動きから1790ドル近辺まで値を戻したものの、戻りに力強さはなくそのまま終了となった。前日比23.10ドル安、1788.10ドルの終値は7月1日以来5カ月ぶりの安値水準となる。で、週明け月末最終30日の取引は、1770ドル台で推移中ということに。

1800ドル近辺に位置している200日線を下回ったことで、次は1750ドルという見方が台頭するが、やはり200日線を25ドル超下回る水準は、売られ過ぎということになると思われる。祭日のからみで週末のCFTC(米商品先物取引委員会)のデータ発表は本日にずれているが、日々のデータが把握しやすいものにETFの残高推移がある。(すでにETFの減少については触れたが)11月はETFの解約が目立ち、月間ベースでは今年に入り初めての残高減となったと見られる。

WGCのデータでは10月末から11月20日までで、金ETF全体の残は3898.6トンから3847.4トンまで52.2トンの減少となっている。SPDR(スパイダー)単体で見れば、11月27日時点までで月初から62.89トンの減少で、この内21日以降の減少分は25.39トンと売却ピッチが上がったことが見てとれる。ワクチンの投与が広範囲に実施されるのは、早くて2021年の年央以降とされるが、株式市場では経済の正常化を前のめりに織り込む動きが続き、その裏側で金ETFから株への乗り換えが個人や目先筋のファンドに見られ、それが下げにつながったとみられる。

2020年夏場にかけての金の上昇は、上昇の基盤としてFRBのゼロ金利政策に無制限の量的緩和策が加わったことによる。いま足元でワクチンの実用化を見越し、金融政策の変更がこれから半年後に浮上などということを金市場が予見した上でのETFの解約ということなら、SPDR単体でも1カ月で200トン近くの解約ということになっていると思われる。参考意見として書くならば、足元の価格は買いだと思う。専門家と呼ばれる人でも、上がってくれば強気で、下がれば弱気という人は多いと思う。
※投資は自身の判断で、が言うまでもなく鉄則

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