マクロビオティックな歯医者さんの食と暮らし                   食養塾 無何有庵の日々

無(む)と空(くう)の癒しの時間の中で、心食動息の一つ一つを共に考えていきたいマクロビオティックなスペース。

飯のコース、卒業式。

2013年04月09日 15時34分51秒 | マクロビオティック料理基礎 飯(はん)
先日、無何有庵のマクロビオティック基礎クラス「飯のコース」の卒業式を終えました。

お仕事の都合などで、欠席なさった方がいらっしゃいましたが、
無事に卒業を迎えることができて、今日はとてもうれしい日でした。

マクロビオティックをどう捉えるかで、自由で楽しいマクロビオティックの実践ができるか、窮屈で視野の狭いマクロビオティックの実践となるか、大きな分かれ目となります。

マクロビオティックは、玄米菜食で、お肉は食べてはいけないんでしょ?って良く聞かれます。

まず、マクロビオティック=料理ではなく、マクロビオティックという生き方の指針にそった料理法があるという認識を持っていただくことからのマクロビオティック事始めになります。

食べ方は、その方その方で違いますし、環境でも変わってきます。

たとえば、イヌイットの方に玄米菜食をおすすめしたら、きっと、すぐに凍えて健康を害することでしょう。それに、氷の張る寒い土地では、米を作ることなど不可能ですから、日常的に食べられるものではありません。

その土地、その土地の食べ方、その方その方の体調、年齢、性別、季節、時間の違いによる食べ方があること、そしてその根拠を知ることで、こうしなければならないという窮屈なマクロビオティックから、自由で楽しいマクロビオティックに変わるのです。

時々、マクロビオティック批判を頂くことがあります。

マクロビオティックを浅くかじった位では、本来のマクロビオティックを理解するには無理があるかもしれません。また、マクロビオティックを実践していると自負なさる方の中には、とても偏っており、こうでなければならないという固い信念のようなものに囚われて、融通のきかないような方がいらっしゃり、傍からみると、どう見ても変人であり、しんどそうであり、窮屈な方が結構おられるのも事実です。
そんなことから、マクロビオティック批判になるのでしょう。

事実、私自身も、学びの過程で頑なだった時期もありますし、しかし、それは通る道であり必ずしも悪いことではないのだと思うのですが、周囲との親和性をなくしてしまうと、誤解も生じますし、本人がそこで立ち止まってしまうと、変人で終わるということなのかもしれませんね。マクロビオティック批判もで出てくるわけです。

松見歯科で食養相談の仕事をしていますが、あるとき「私はカラダが弱かったので、いろいろ模索している中でマクロビオティックに出会い信じてきたのに、ちっとも元気になれません。」とおっしゃられる若い女性がいらっしゃいました。

その方は、見るからにか弱い雰囲気の色白の華奢な娘さんでしたが、ネットをいろいろ調べては、ああでもない、こうでもないと、情報に振り回されていました。

無何有庵の料理教室にお誘いしたりしましたが、彼女はアメリカでマクロビオティックを学んだので大丈夫です。と言って自己流のマクロビオティックを続けておられました。

まるで、玄米が薬のように、肉が毒のように捉えておられました。体調はなかなか良くなりません。

最終的には「私はようやく目が覚めました。マクロビオティックを信用したのが悪かったのです。」といって、マクロビオティック投棄宣言をされたのです。わたしは、「それでいいよ、それがいいよ。そうしなさい。」とだけ申し上げました。

彼女にとって、彼女が描いたマクロビオティック観というものがあまりにもねばならないという万人統一な考えであったことが、健康不良という不幸を招いてしまったのです。でも、彼女にそう伝えても伝わるものでもないほどの思いこみがありましたので、マクロビオティックを棄てていただいて、ほっとしたのです。
少しは普通の健康をとりもどせたのかどうかは定かではありませんが、彼女のマクロビオティックでは、彼女をつぶすばかりでしたので、思いこんでいるマクロビオティックをやめることが、最善の方法と思いました。

私が思うのは、マクロビオティックに問題があるのではなく、マクロビオティックを自分都合で実践するところに問題があるということです。
マクロビオティックの考え方は、ごく自然のもので、イノチの営みの中にあるものです。
ですから、本来、イノチが一番輝いて、そのイノチを全うすることの「あたりまえ」のことなのです。

イヌイットにはイヌイットのあたりまえがあるでしょうし、日本人には日本人のあたりまえがあるのです。
日本であっても、北海道と沖縄ではあたりまえが違うのが当然です。

そんなあたりまえが理解出来ずに、生きるというライブな感覚を忘れて、活字や目の前の情報をあたかもライブに錯覚してしまうと、そこに大きな誤りが生じてしまいます。

100人が100人、玄米が食べられるわけではないのです。



無何有庵のマクロビオティック料理教室の事始め、「飯のコース」では、半年12回のレッスンの中で、基礎をしっかり、そして柔軟な(ゆるゆるということではありません)マクロビオティックを学んでいただきたいので、マクロビオティックの講義が2時間、調理実習が2時間、試食、お手当がセットになったクラスにしています。講義も、自然との共生と暮らしに密着した内容でマクロビオティックの捉え方、マクロビオティックとは何かをお話しいたします。また、料理実習でさらにマクロビオティックの陰陽理論を深め、料理の手順の根拠などもお話ししてまいります。
さらに、お手当もしっかりと実際にやってもらいながら、家庭ですぐに実践できるように指導いたします。

そんな半年を終えて、まずは基礎の第一段階を終えたメンバーの卒業。

最終日は、卒業制作の発表です。





Nさんは、ご自身の体質改善と家族の健康を目標に、いつも明るくてキュートな笑顔を絶やさずに頑張られました。半年間ムードメーカーとしてメンバーを支えてくださってありがとうございます。
お料理苦手なんですなんて、おっしゃっておりましたが、何が何が!とっても可愛い炊き込みご飯とアスパラとコーンの玄米ポタージュ(間に丸麦をサンド)、基本食の高野豆腐と切干大根の焚いたん、小松菜のお浸し、春野菜のサラダを作られました。盛り付けもとってもセンス良く飾り付けされましたね。





























Kさんは、ご結婚前から松見歯科に来られるようになり、将来のご主人の食改善に取り組まれました。そうして、めでたくご結婚。さらにおめでたと、順調に過ごしてこられました。仕事を離れ、時間が出来たので料理教室にも通われるようになられて、めきめき腕を上げられました。

今回のメニューは、トマトソースの蓮根ボール ソイマヨ添え、あずきかぼちゃの和風焼きムースです。お味もとても優しくて、大人気でした。




























東京から香川に越されてきて間もないMさんは、いつもさわやかな笑顔が素敵なママさんで、学ぶ姿勢もとても素晴らしく、よく頑張られました。
玄米飾り稲荷ずしもとてもかわいらしく仕上がりました。
新玉ねぎのかき揚げも甘さがひきだせていておいしかったです。人参とリンゴの蒸し煮は、色よく、甘みを付け足さずとも、とても上手に素材の甘みを最大限に引き出せていました。




















西の都会、博多っ子のKさんは、美容と健康に関心が高く、いろいろなことにチャレンジして輝いている素敵なママさんです。今回は、玄米焼きおにぎりを和風のスープ仕立てにしました。根菜をふんわり柔らかく炊き上げて、とてもおいしい一品でした。他にはクラスで作ったラタトゥイユをどうしても作りたかったと挑戦してくれました。基本食のきんぴらごぼうを使って、パンケーキも作ってくれました。

























今回の最優秀賞はかわいい妊婦さんのKさんでした。もうすぐ出産です。
感動と喜びでくしゃくしゃの笑顔が素敵でした。










半年12回の全カリキュラムを終了した方だけに、卒業証書をおわたしいたしました。
お休みがあった方は補講終了時にお渡しいたします。






最終日少しメンバーが減ってしまいましたが、半年間ご一緒した仲間同士、素敵なご縁となられたようですね。この絆が、これからのマクロビオティックライフの大きなココロの支えになるはずです。いつまでも仲良しで繋がっていてくださいね。

皆さん、お疲れ様でした。
次のステップに上がられる方、もう一度基礎をしっかりおさらいする方、これからの道はそれぞれ違いますが、これからもがんばってくださいね。