マクロビオティックな歯医者さんの食と暮らし                   食養塾 無何有庵の日々

無(む)と空(くう)の癒しの時間の中で、心食動息の一つ一つを共に考えていきたいマクロビオティックなスペース。

秋の養生法。

2014年10月02日 17時02分41秒 | マクロビオティック薬膳<神草の慧古>
10月に入り、いよいよ秋も深まってまいりました。
自然界は「陽消陰長」、つまり陽気が減り陰気が増加し、収斂の作用により少しずつ冬の陰に傾いています。太陽の日差しは短くなり、気温も徐々に下がり始めてきましたね。

秋は、乾燥の季節で、木の葉や草は紅葉し、枯れて葉を落とし始めます。晩秋は、冬の季節に近づくため、寒気がまじり「涼燥」の特徴をあらわします。この乾燥が「燥邪」という邪気となりますので、注意したい季節の特徴は「燥邪」というわけです。

「燥邪」は、口、鼻から侵入し、肺に及びますので、乾燥による口や鼻の疾患、咳などの肺の不調など、呼吸器系のトラブルに気を付けなくてはいけません。喘息の方など、特に注意が必要になる季節なんです。

肺の働きは全身の気の動きの調節をし、呼吸や水分の代謝をコントロールしてくれるのですが、「燥邪」による影響を受けると、口や鼻、肺そのものの乾燥だけではなく、カラダ全体の水分調整が整わなくなりますので、乾燥という陽気は、カラダ自体を乾燥させて、皮膚や髪も乾燥させてしまいます。美容にも大敵ですね。

また、肺は大腸と表裏の関係になり、大腸が「燥邪」という陽の邪気に侵され熱を持つことにより、水分を失いますので、便秘などの症状も出やすい時期でもあります。

ですから、肺は「喜潤悪燥(きじゅんおそう)」の特徴があり、潤いを好むことを知っておきましょう。

秋に影響を受け、働きが活発になる臓器は「肺-大腸」ということになります。
乾燥から身を守ることが大切ですね。

スパイシーな食べ物は、熱を持ち、乾燥を促しますので、この季節は特に注意をして、いつもの季節より効き目が強いので、控え目で丁度いいということを知っているといいですね。

中国最古の医学書「黄帝内経(こうていだいけい)」には、秋の養生として

「早く寝て早く起きる。心を安らかにして、陽気をひそめて過ごすべきである」と書かれています。

秋はロマンチックな季節の反面、物悲しさも連れてきます。秋が深まり、落葉の季節を迎えると何となく、寂しさを感じやすくなりますよね。肺は「悲しみの臓器」と言われるのは、秋の季節に影響されるからです。それだけに、気持ちが沈みすぎないように、安定した気持ちで過ごせるように、心がけることも大切です。悲しいという感情が、臓腑(肺-大腸)を痛めることになるので、できるだけ楽しく過ごしたいものですね。

この秋、抜け毛が多い方は、夏の間に陰性のもの(冷たいもの、水分の多いもの、カラダを冷やすようなもの)をたくさん飲食された影響です。陰の作用で毛穴が開き、抜け毛に繋がってしまったのです。このような方は、陰の影響をすでに受けていますので、季節の変わり目の体調不良、風邪などに十分注意なさってくださいね。そして来年の夏は十分注意したいものですね。

秋の養生は、肺の気を整えるとともに、カラダの水分を補い、胃の調子を整え、来る冬に備えてくださいね。

この時期とっても美味しくなる蓮根は、呼吸器系のトラブルにとてもお助けマンになりますので、蓮根料理、いろいろチェックして作ってみてくださいね。

素敵な秋をお楽しみくださいね。



photo by たま(08.9.11アラスカにて)