が、絶版になった。
その理由は、真偽は不明だが、あるブログによると、「収録されている某作品が原作をトレースしている、というファンからのクレームがあったから」、だという。
よくわからない話だ。「アントラクト」はローゼンメイデン・ファンの作家たちが集まって作った短編集で、原作のキャラクター・デザインやその性格、状況設定は基本的にはそのままだ。つまり、どの作品も「原作をトレースしている」のであり、トレースしつつも、原作ではあっさりと扱われているところを部分拡大してみせたり、原作とは違ったオチをつけたりしている、という点がキモになっている。問題になった作品だけが特別、というわけではない。
もうひとつわからないのは、絶版が「ファンからのクレーム」による、ということだ。最近似たような話があったが、原作者は何と言っているのだろうか。「この作品は私のパクリだ」と主張できる第一の権利者は、言うまでもないことだが、ファンではなく、原作者だ。原作者が許しても、そういう評判の立った作品を放って置くのは体面にかかわる、と出版社が判断するかもしれないが、今回の場合、原作を出しているのも同じ幻冬舎だ。それなのになぜこんな反応を、と、かえって不自然に思えてしかたがない。
いろいろと、勘繰りたくなってしまう。クレームをつけたのは、本当に「ファン」だったのか、とかね。