「変身物語」を読む。オウィディウス著。岩波文庫。
だれでも知っているようなギリシャ神話がいっぱい。でも、描写が迫真的で、読ませる。特に、太陽神の馬車を操ろうとしたパエトンの話と、アキレウスの遺品の鎧をめぐるオデュッセウスとアイアースの弁論合戦は、まるでその場に居合わせたかのような迫力だ。
一番驚いたのは、バッコス神のお祭りの時の信徒の掛け声が、「えうほい!」だということ。日本のお祭りの「えっほい!」にそっくりではないか。「人間の思考法は、地域や時代を越えて共通している」、というのはやはり真実なのかもしれない。