愛すべき産経抄だが・・・。
ショーペンハウアーはこうも言っている。「すなわち彼らの名はジャーナリスト。適切きわまる名前ではないか。これをドイツ語に訳すと日給取り」(「著作と文体」)。「匿名こそ文筆的悪事、特にジャーナリズムの悪事一切の堅固なとりでではないか。したがってこのとりでは、根こそぎ破壊されなければならない。すなわち一般にいかなる新聞記事にも、執筆者の名前を付し、署名の正しさについては編集者にきびしく責任をとらせるようにしなければならない。このような措置をとれば、とるにたりない人物の住所でも明らかなのであるから、虚偽の新聞記事の三分の二までが消滅し、厚顔無恥の毒舌も制限をうけることになるだろう」(同)。いずれも「読書について」所収。岩波文庫。ちなみに、有名な「読書について」は20ページほどだが、「著作と文体」は100ページを越える。
あんなに安倍総理と仲良しだったのに、産経新聞の販売店はめっきり減っている。地域によっては、朝日新聞の販売店が配達を請け負っているほどだ。「変わらない姿勢」も、いつまで続くことやら。