旧約聖書を読む 42

2018-09-26 16:33:12 | 

 マカバイ記 二。セレウコス朝シリアの迫害に負けず、ユダヤ人はギリシア化を拒否し、自分たちの信仰(モーセを通して神から授けられた律法)を守ろうとする。

 七人の兄弟とその母親のエピソード。アンティオコス王の命により、彼らは次々と拷問にかけられるが、決して屈しない。「神は律法のために死ぬ我々を、永遠の新しい命へとよみがえらせてくださるのだ」。母親も言う。「神は霊と命を再びお前たちに与えてくださる。お前たちが律法のためには命をも惜しまないからだ」(7)。

 だが、実は「死後の永遠の命」という考え方は、本来のユダヤ教にはないものだ。ユダヤ教では、こう説かれている。「すべては塵から成った。すべては塵に返る」(コへレトの言葉3、20)。それだけなのだ。
 この点から、マカバイ記 二は、キリスト教が成立した後に書かれた作品だということがわかる。

 さらに細かく見ていくと、この作品を書いた人物は、実はかなりギリシア文化の影響を受けていることがわかる。ギリシア系のセレウコス朝を悪役にしているにも関わらず、だ。

 ユダヤ人はエルサレムの神殿を奪還し、清めの儀式を行う。その時、彼らはテュルソスをかざして神に賛美歌をささげた(10、7)。
 テュルソスとは何か。ディオニュソス神の信徒が持つ、先端に松ぼっくりがついた杖。おそらく、男性器を暗示している。

 ここで、脱力してしまうのにゃ。
 
 
 
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