○中川委員 すみません、20分という時間の中でどこまでできるか分かりませんが、幾つか御質問をさせてもらいます。
一つは森林税の関係ですけれども、再造林の費用が個人負担ゼロということになっているんですけれども、その前に主伐が行われていて、個人資産があるということについての関係性について、これを進める上では県民に説明が必要になることなのではないかと思いますが、その点いかがでしょうか。
○中島森林づくり推進課長 再造林に対して10分の10の補助をするに当たって、そういった資産がある中でどうなのかという御質問だと思いますが、主伐後の再造林については、まず、地ごしらえ、植栽、下刈り等の作業がありまして、その後も主伐するまで、次の収穫までには相当の期間と経費がかかるわけでございます。現状では、以前よりは若干木材価格は上昇しているわけではございますけれども、そうはいっても主伐後の再造林が足かせとなり、森林所有者が主伐そのものへの意欲を持ちにくい。あるいは主伐しても、再造林を放棄してしまうことなどが想定されております。そこで、下刈りまでの初期段階の費用を手厚く補助することによりまして、森林所有者の負担を軽減し、主伐・再造林への動機づけにつなげることを期待しております。
次期森林税における大きな柱である森林の若返り促進と安全・安心な里山づくりを目指して、主伐・再造林を促進することが必要になっているということへの対策として、大変重要だというふうに考えております。
○中川委員 そんな点もぜひ説明の中に加えてください。
それから、ウッドショックによる需要があるという話も、今ありましたけれども、そういう中では主伐が進むというふうに考えられるわけですけれども、外国産材の輸入の回復などの状況変化だって、この先ある可能性もあるわけですよね。そういった際に、安定的な県産材の活用策というものがなければ、結局は主伐は進まない。そうして、主伐が進まなければ再造林が進まない。再造林が進まなければ一体この県民税は何のために使うんだということになりかねないので、この県産材の活用策、それも恒常的な活用策ということについて、きちんと考えていく必要があると思いますが、お考えをお聞かせください。
○栩秋県産材利用推進室長 恒常的な木材需要、県産材需要の確保の見通しという御質問をいただいております。
恒常的な木材の需要の見通しというものを立てていくということは、森林所有者の方々に安心して木材生産をしていただくという観点でも、非常に重要なテーマだというふうに考えております。
現行の森林づくり指針におきましても、様々な用途での需要の開拓、開発というようなことを掲げ、それに対しての実績として、例えば接着重ね梁の開発ですとか、あるいは集成材の耐火構造といったものの新用途開発、こういうようなものがこの10年間でも進んできたということで、一定の需要の確保というのが図られてきているわけでございます。その結果として、10年間で素材生産量が約1.5倍ということで、森林所有者の方にも、素材生産増大に向けた取組が徐々に進んできているという状況にはあると思っております。
一方で、委員御指摘のように、ウッドショックですとか、あるいは今の新型コロナウイルスの関係、あるいはウクライナやロシアの情勢といった木材の需給構造を大きく揺るがすような課題というのも出ておりまして、なかなか長期的な見通しを立てるというのも難しい状況というのも一点にはあるとは思っております。
しかしながら、国産材への転換というのは、今、全国的な動きとしても、これはシフトが進みつつあるということで、我が県も乗り遅れないようにしっかり取り組んでいかなければいけないというふうに考えておりますので、次期森林づくり指針の中では、林業木材産業の目指すべき姿というのもしっかりと考えて、具体的にしていきたいというふうに考えております。
以上でございます。
○中川委員 これは、鈴木委員さんがおっしゃったように、林務部だけの課題ではないと思います。本当にこれから造る長野県の小学校は、全部県産材で造るくらいの覚悟がないと、恒常的な県産材の活用の道というのは開かれていかないんじゃないかなというふうに私も思いますので、そんな点も含めて、県庁全体でこの県産材の活用については、恒常的な県産材の活用策について検討が必要だと思います。
それから、林業経営に適さず管理意識もない森林の間伐は、市町村の環境譲与税を使い間伐を行って、県民税は林業経営に適さないが管理意志のある森林は防災・減災のために必要な間伐を行うとしていますけれども、これは、一般質問でも小林東一郎議員からもありましたが、これは明確なゾーニングというのはできるものなのでしょうか。教えてください。
○中島森林づくり推進課長 ゾーニングに関する御質問でございます。
委員がおっしゃるとおり、森林環境譲与税は、森林所有者が経営管理できないと意思表示をした森林について、市町村が事業主体となって行って、譲与税を森林整備に充てるものでございます。
また、森林税で実施する防災・減災のために必要な間伐は、道路や集落等保全対象に近い場所で実施するものでありまして、経営には適さないが、所有者が管理できている里山において実施するものでございます。境界が不明等で管理がなされていない森林については、譲与税等を活用した対策を取るなどの手段で対策を取るということになるかと思います。
市町村と連携して適切にゾーニングを行いながら、森林整備が実施できるようにしていきたいというふうに考えております。
○中川委員 それはそのとおりなんですよ。そこがなかなか難しいんじゃないですかという質問をしたので、これから進めていく中で考えてください。
関連してですけれども、先ほども池田委員からもありましたけれども、防災・減災のための里山整備第3期分までの未整備分が1,500ヘクタールありますというふうに言っているんですが、その根拠は何なんですかね。今までこれだけあります。でもこれだけやったので、残りが1,500ヘクタールでは、これは根拠とは言わないんですね。実際にどこにどれだけの間伐をしなきゃいけないところがあるのか。そして、それが先ほど申し上げたように、林業経営には適さないが、管理意思のある森林として、防災・減災のために必要な間伐をしなければならない面積がどこにどれだけあるのかという、その積み上げがあって1,500ヘクタールというふうに言われているのかどうか、教えてください。
○中島森林づくり推進課長 1,500ヘクタールの根拠についてお尋ねいただきました。
この数値につきましては、第3期の目標4,300ヘクタールというものがありまして、今年度見込まれる実績2,800の残りが1,500ということで、それだけでは根拠ではないだろうと、確かにおっしゃるとおりでございまして、3期の4,300ヘクタールを算出するに当たりまして、長野県で実施しました航空レーザー計測のデータを活用しまして、いわゆる道路や集落等に近いところのそういった間伐が必要な森林というものを、まず抽出しております。その中で、森林所有者が管理できるであろうという森林をある程度推定しまして、一定の係数を掛けて算出した数字が4,300でございます。それをもちまして、4,300を目指して3期で森林整備を行ってきたんですが、搬出間伐等が増えるなど、標準単価、実施単価が上がったことも影響しまして、全部の面積を実施することができなかったと。残りの1,500をこの次に予定しています4期のほうで実施していきたいということでございます。
○中川委員 先ほど池田委員さんが言った、山がその中に入っているのかどうかとか、それから、松本地域森林、ムカイヤマ課長とも一緒に現場を見にいきましたけれども、この山は1年間のうち、冬の間もう光が全然入ってこなくて、人家に光が入ってこないというようなところも多々あって、そういうものがちゃんと終わっていないなという感じは、私は感覚は持ってはいますけれども、やっぱり具体的な積み上げがないと、やっぱり延長するときに、県民の皆さんになかなか納得してもらえないんじゃないかなと思いますので、そんな点もぜひ、具体的な、まだまだこういうところが残っているんだということを例示する必要があるのではないかなと思います。
次に、担い手の問題は、先ほど来話が出ているので、少し絞って言うと、中核的担い手である事業体やそこで従事する人材への支援は、市町村の森林環境譲与税活用事業における取組事例としているというふうに書いてあるんですが、これは可能なんでしょうか。
○千代信州の木活用課長 林業の中核的な担い手である事業体、またそこで従事する人材の支援、これは市町村に配分される森林環境譲与税で使えるのかどうかという御質問でございます。
これは、資料の中で、表の中で示してある一つの例でありますけれども、森林整備を推進していくというふうな、森林環境税の目的を達成するための施策であれば、その整備を担う人材の育成確保についても、これは森林環境譲与税を活用するということは可能とされているところであります。あくまでも、これは括弧して市町村に配分されるというところの表になっていますが、市町村の中で完結するような、その市町村の中の事業者であるとか、そこで雇われている方の育成・確保について、その市町村に配分されたものを活用するということですので、相当ケースとしては限られてくるのかなというふうには思っております。
その譲与税ということで考えましたら、これは林業の事業体とか人材に関しては、割とこの市町村の範囲、境を超えて、広域的にやられているところが、非常に大きな事業体ほど多いということになっております。そういったときには、一つの選択肢としては県にも森林環境譲与税は配分されますので、そういった部分に関しては、県の施策で譲与税を活用して支援するというふうなパターンもあり得るというふうに思っております。
いずれにしましても、従来の国庫補助金等で対応できない部分で、中核的な担い手を支援する施策として譲与税を活用するということは可能というふうにされておるところでありまして、また、中核的でない部分の支援に関しては、これは今までぽっかり空いていたところでありますので、県の森林税を使って支援をさせていただくというふうなテーマ分けでやっていきたいというふうに思っております。
○中川委員 一緒に聞けばよかったですね。林業の中核的担い手への支援について、別途検討となって、書いてありますけれども、その説明は今の説明でいいんですかね。お願いします。
○千代信州の木活用課長 林業の中核的担い手の部分、これは、多分資料の25ページのところの上の絵のところに関する御質問だというふうに考えておりますけれども、通年雇用で専業的に従事されるような、いわゆる林業の中核的な担い手に関しましては、ただいま申し上げましたように、従来の国庫補助事業であるとか、県の従来からの一般財源等で対応をしているものであります。
この説明資料に関しましては、これは森林税で説明をしておりますので、森林税の超過課税ということでありますので、従来事業とは切り分けて、これまで対応できていない、この絵でいきますと、ピラミッドの下のほうの小規模事業者ですとか、さらには将来的にその中核を担っていただけるような、潜在的な林業への理解者、こういったものを増やしていくというふうな施策に、森林税は充当したいというふうに考えております。
ただ、最初に申し上げた中核的担い手への支援策というものも、今の状況ではもちろん十分ではないというふうな問題意識を持っておりますので、生産性の向上であるとか、あるいはさらなる就業環境の整備ですとか、あるいはさらにもう一歩突っ込んだ新規雇用の促進策、こういったものは、森林税とは別にしっかりと対応してまいりますということで、この説明テーマでは別途検討とさせていただいているところでございます。
○中川委員 あまり時間がないので、森林税の関係については、最後にアンケートの読み方について、ちょっとお話を教えてください。
アンケートの森林づくり県民税の認知度ですよ。「名称、税額は知っているが、使い道はよく分からない」「名称は知っているが、税額や使い道はよく分からない」、それから「名称、税額、使い道とも分からない」。だから「分からない」、それから「知らない」合わせると、これは8割なんですよね。79.2%の人が、アンケートで「分からない」「知らない」と答えている。ところが、この継続に、その「分からない」「知らない」というふうに答えている人が、継続ということについて、「現在の取組内容のまま継続すべきだ」「現在の取組内容を継続するのに、新しい取組内容を加えるべきだ」「全く新しい取組内容として継続すべき」、まあ「継続すべき」というのが66.4%。これはよく分からないところなんですよね。
このことについて、やはり今までにも第1期からの課題で、やっぱりこの県民税を使ってどういうふうに変わったんだというようなことが、県民の皆さんに知られていないということが原因じゃないかなと思うんですよ。その点について御見解をお願いします。
○柳原森林政策課長 森林づくり県民税の認知度という御質問でございます。
委員がおっしゃったように、このアンケート結果、8割で、我々から見ると、「内容はある程度知っている」というのが2割で、ここを増やさなければいけないというのがもう従来からの課題だということで、これも、これまでも答弁させていただいております。
今回、アンケートでこの指針、方針の最終段、47ページから、これまでの3期の取組を併せて、アンケートと同封してお送りをさせていただきました。返ってきた中身のところに自由記載がございまして、非常に個人の方で1,000ぐらい回答をいただきましたけれども、本当に多くの方にコメントを載せていただきました。そのコメントの中には、これまで県民税でこういうことをやっているということを知らなかったと。非常に税の使い方としては、非常にいいことをやっているからこそ、もっともっと知られるように普及してほしいとか、こういうことを何でもっとしっかりやらないんだというような御意見が非常に多数ございました。
そういった、今回アンケートに同封した取組内容を見た上で、継続についてお答えをいただいたんだろうなというふうに思っておりますので、そこらあたりの認知度と、その結果との関係は、そういうことなのかなと思っています。
これは、どのように上げなきゃいけないかというのは、もうまさにずっと今までもいろんな方法でやってきています。お金を使う、当然税の中の範囲で使っていますので、そこはあまり使い過ぎるのも、本来的な森林整備に回るお金もございますので、ある程度この次を見据えた場合には、より身近で税を使っている取組を増やしていくということも大事だろうというふうに思っています。
そんな中で、四つの柱の中の一つに、より親しみを持ってもらうということで、一つ柱を立てております。もう御指摘なり、県民の皆さんからも言われていることで、もう我々も常にそれを前向きに考えなければいけないと思っておりますけれども、何とかそこは、本当に心してかかっていかなければいけないなというふうに思っております。
○中川委員 最後に部長にお願いしたいんですが、実は種です。カラマツの種。このカラマツの種というやつは、国の森林種苗法に基づいて県がつくっているという話は、私は知らなかったんですね。これは南佐久で、小海の中で新しく木を植えたりとか、種を川上村で種を取ったり、種場があってというのは知らなかったんですよ。これは結構大事な話で、それで、なおかつその種を取って、優良な種を取って、それを山に、木に植えて、それというのはそれが苗木となる種をつくるわけですよね。だから、その苗木となる種を取るまでに、そこまでで15年かかるわけですよね。そこから植えて、苗にして、そして木材として活用されるまでに50年、60年かかる。つまり、まさに100年かかるわけですよね。そういうことで、知事も小林委員の一般質問の答弁に答えて、県議会の議会棟の前にある県有林の木を見ると、本当に過去に先人が200年の計というものを持って山を育ててきたということが、本当に大事なことだなというふうに思うので、そんな点を踏まえて、県民税を延長していく、そんなところについて、思いをちょっと語ってください。お願いします。それで終わります。
○吉沢林務部長 委員から、長期的視点を持った森林づくりの取組についてのお話をいただきました。
私もこの部署に来て、採種場、育種場を見させていただいて、まさに今、委員がおっしゃられたことと同じ思いを持ちました。
今回改めて小林議員からも一般質問もございましたので、その県有林の木の内容を読ませていただいて、やはり先達、我々の大先輩たちは、しっかりしたことを考えておられたんだなということで、非常に感銘を受けました。今、委員もおっしゃったとおり、非常に森林づくり、長い目で見て考えていかなきゃいけないですし、今植えた木は、私の子供、孫の代になってやっと収穫ができるという、そういった息の長い取組だと思います。
そういう中で、県有林の木の中では、やはり県土保全であるとか産業振興という視点で長期的に取り組んでいかなきゃいけないということが主に書かれていたかもしれないんですけれども、現在は、さらにそこに公益的機能ということで、二酸化炭素吸収の話であるとか、あとは生物の多様性のこととか、そういった機能も加わってきているのかなというふうに思います。
おっしゃられたとおり、まさに長期的な視点を持って、だけれども、今まさに取り組まなければいけない喫緊の課題があるということで、今回も基本方針案の中でも触れさせていただいていますけれども、ゼロカーボン社会実現のための主伐・再造林であるとか、それを支える林業人材の確保・育成であるとか、それはまさに今、待ったなしの課題でありますので、そういったものに今から取り組んでいくという意味でも、次期森林づくり県民税を活用させていただいて、100年後、将来の長野県の森林づくりのために取り組んでいきたいという気持ちを持っております。
それとあわせて、先ほど来からもお話に出ています森林林業そのものではないかもしれませんけれども、森や緑を私たちの生活の中で、その恵みといいますか、潤いを享受していただく。そういったこともこれからの生活の中では大事だというふうに思っていますので、今、お話のあったような認識に基づきまして、長期的な長い目を持ちつつ、喫緊の課題に対処して、関係の皆様と共にこの長野県の森を守り育てていきたいと、そういった気持ちで取り組んでいきたいというふうに思っております。
以上でございます。
中川さんが社民党に残って、日本国憲法にもとづいた
平和で貧困のない暮らしのために日々頑張ってくださることを嬉しく思います。
長野県は長寿トップクラスであり、健康への取り組みが今後とも続いていくことを心から願います。
今後もぜひがんばってください!