リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

Flow my teares の日本語訳(17)

2020年05月08日 16時34分47秒 | 音楽系
(第3部)

Harke you shadowes that in darcknesse dwell
learne to contemne light,
Happie they that in hell feele not the worlds despite

綴りが現代式と異なる語が多いので、現代式にして見ましょう。ついでに言い回しも現代式にすると次のようになります。

Hark you, shadows that dwell in darkness,
learn to contemn light,
being happy they that do not feel the worlds' despite in hell

これでもなんかわかりにくいかも知れません。

1行目のshadowsは「影」ではなく「亡霊」のことでしょう。shadowes, darcknesseと2行目のlightは関連的(対照的)に使われていることばですが、これらの関連性を保って訳をするのはなかなか難しいです。

3行目は分詞構文で、beingの主語はtheyです。でもこのtheyに長い関係代名詞節がくっついています。本来はこんな語順です。

they (that do not feel the worlds' despite in hell) being happy

主語がある分詞構文で、分詞構文のbeingはよく省略されます。そして関係代名詞節がくっついているので倒置しています。でもかえって原文の方がわかりやすいですね。

さて訳文です。

聞け!暗闇に住まう亡者たちよ
汝らは光を侮蔑するがいい
地獄にあってこの世の恥辱を覚えぬ者は、それで幸せなのだから

次回は最終回、総集編です。