リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

コロナ中、コロナ後は

2020年05月27日 13時38分57秒 | 音楽系
新型コロナウィルス禍で売れている売れていないにかかわらず、音楽家は大変大きな影響を受けています。売れていない人はさらに売れなくなってしまいます。知り合いの演奏家に聞いてもさっぱり仕事はないそうです。レッスンプロの仕事もそもそも全くレッスンをしていなかったり、していても生徒さんの経済的な事情などで減少しているようです。

警戒宣言が解除して、徐々に世の中は第2波、3波を乗り越えて昔の流れを取り戻していくでしょうけど、おそらくクラシック音楽演奏関係の仕事は復興の一番最後になる可能性が高いです。そもそも生演奏会場は三密そのものだし、クラシック音楽の愛好層は年齢が高めで多分用心深いでしょうから。

桑名のバロック音楽の旅14をそっくりそのまま1年半先に延期したのも上記の事情を考慮してのことです。それに来て頂く演奏家は東京、大阪、横浜などの在住の方が多くて、直前時に外出自粛要請、なんてこともあり得ます。

現在三密を避けるということで音楽のコンテンツ無料配信や、ライブのリアルタイムインターネット中継などが行われていますが、多分コンテンツが足りなくなったり、見ていてもつまらないのでそのうちなくなってしまうのではないでしょうか。有料を無料にすると言っても限度はあるでしょうし、映像として何も作り込んでいないようなライブ配信なんてコンテンツとして魅力がありません。

コロナ後も多分以前の状況には戻らず、多分別の状態が固定化してしまう気がします。インターネットで魅力あるコンテンツの配信が増えるでしょうし、レッスンもオンライン化が進むと思います。ネットのコンテンツも無料ではなく有料化が進むでしょう。ユーザーの方もなんでもタダでいい時代になった、と考えるは止めるべきで、基本はちゃんと対価を払うという姿勢に転換することが大事です。有料化の方式はサブスクでしょう。もう既にサブスクコンテンツは膨大ですが、それがさらに進むのではないでしょうか。

オンライン・レッスンもより高速のネットワーク(5Gなど)が一般化するのはもうすぐなので、そうなったら遅延(レイテンシー)がほぼなくなるといいますから、オンライン・レッスンは急速に進むと思います。私もオンライン・レッスンを4月から進めてきましたが、1万円程度のコンデンサーマイクを使用するととても鮮明な音でレッスンが可能です。画像はWebカメラのものでも使えますが、iPhoneとか高機能のデジカメで高解像度設定をすれば非常に鮮明になります。画面の共有で楽譜の提示もできますし、レッスンの重要な箇所を録画してフィードバックしたり、レッスン後に送付したりできますので、機能的には対面レッスンより優れています。もちろんリアルの対面レッスンならではの優れた部分はありますが。

以上述べましたように「新しい生活様式」のクラシック音楽業界はネットワークが基軸となって進んでいくでしょうから、その方向性を見据えてこちらも対応していく必要があると思います。