アルビノーニのアダージョという曲があります。なんでも第二次世界大戦時のドレスデン空襲の廃墟の中から楽譜が発見されたというストーリーがあり、またその甘美な旋律に人々は「あの空襲の中でよくぞこのような美しい曲が残ったものだ、まさに奇跡だ」なんて思ったのでしょう。実はこの曲はレモ・ジャゾットという人が1950年代の終わり頃に作曲、出版した曲です。
その後この曲は映画や劇伴なんかに使われて、当のトマゾ・ジョヴァンニ・アルビノーニの作品よりは有名になってしまいました。アルビノーニのアダージョが世に出た当時はまだバロック音楽復興運動の胎動期であり、この曲がバロック音楽時代のアルビノーニ作だと言われたら、「なるほど、さすがにいい曲だ」ということになったのでしょう。でもそれだけだったらここまでは広がらなかったでしょう。やはりドレスデン空襲云々のストーリーがものを言ったのだと思います。このストーリーと甘美な旋律、そしてまだあまり知られていない古の作曲家の名前、これだけ揃ってはじめて贋作が世に出て著名曲になるわけです。
しかし70年代初めのバロック音楽復興の動きを経て、バロック音楽が本格的に広まっていくにつれて、この曲がトマゾ・ジョヴァンニ・アルビノーニの真作だとは誰も思わなくなって今に至っていますが、いつごろから疑われだしたのでしょうか。カラヤンも録音したといいますから、当時は誰もが贋作に騙されていたわけです。1973年録音のレコードのジャケットにはしっかりとアルビノーニのアダージョと書かれています。
でも85年の当盤再発売のクレディットには作曲アルビノーニ、編曲レモ・ジャゾットとなっていますので、この頃には真相が明らかになってきたのかも知れません。まぁきちんとバロック音楽を勉強してきた人なら1分も聴いたら変だと思わなければいけませんけどね。
その後この曲は映画や劇伴なんかに使われて、当のトマゾ・ジョヴァンニ・アルビノーニの作品よりは有名になってしまいました。アルビノーニのアダージョが世に出た当時はまだバロック音楽復興運動の胎動期であり、この曲がバロック音楽時代のアルビノーニ作だと言われたら、「なるほど、さすがにいい曲だ」ということになったのでしょう。でもそれだけだったらここまでは広がらなかったでしょう。やはりドレスデン空襲云々のストーリーがものを言ったのだと思います。このストーリーと甘美な旋律、そしてまだあまり知られていない古の作曲家の名前、これだけ揃ってはじめて贋作が世に出て著名曲になるわけです。
しかし70年代初めのバロック音楽復興の動きを経て、バロック音楽が本格的に広まっていくにつれて、この曲がトマゾ・ジョヴァンニ・アルビノーニの真作だとは誰も思わなくなって今に至っていますが、いつごろから疑われだしたのでしょうか。カラヤンも録音したといいますから、当時は誰もが贋作に騙されていたわけです。1973年録音のレコードのジャケットにはしっかりとアルビノーニのアダージョと書かれています。
でも85年の当盤再発売のクレディットには作曲アルビノーニ、編曲レモ・ジャゾットとなっていますので、この頃には真相が明らかになってきたのかも知れません。まぁきちんとバロック音楽を勉強してきた人なら1分も聴いたら変だと思わなければいけませんけどね。