リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

贋作はなぜ魅力的なのか(9)

2021年02月15日 21時38分16秒 | 音楽系
ではまずYouTubeでBWV565を聴いてみましょう。


特にこれを推薦しているというのではありません。念のため。

ざっと聴いていただきましたか?贋作っぽいと言いますか、バッハの作、あるいはバロックっぽいくない感じがする箇所は何か所かありますが、ここでは比較的わかりやすい2か所を示してみたいと思います。

まず一つ目。YouTubeのビデオクリップの5:05あたりから聴いてみてください。この部分の楽譜は以下の通りです。



この→と←の間の部分が問題の箇所。同様の箇所がこの3小節後にも延々と続きます。中学生の頃この曲を聴いていてここに差し掛かると退屈で退屈で仕方がありませんでした。(今でもそうですが)

次に二つ目です。これは一番最後の部分です。



赤で囲った和音、青で囲った和音と続き最後のニ短調の主和音に続きます。

どうですか?この2つはいかにも贋作だと言わんばかりの箇所です。え?言ってることがよくわからないですって?では次回に詳しくお示し致しましょう。