リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

ものごとをどうみるか

2021年02月04日 13時19分26秒 | 日々のこと
せんだってミャンマーでクーデターとされる事件が起こりました。テレビメディアの多くはアウンサンスーチーを擁護、国軍を悪とみたて報道を繰り返しています。こうような対立軸をみせるのはどっかの知事さんがよく使う手でとても分かりやすいですが、報道を鵜呑みにするとあぶないかも知れません。

アウンサンスーチーは国軍がロヒンギャを追放したことを擁護していますし、法整備をして海外企業が進出しやすいようにするという政策にもあまり指導力を発揮していません。(日経新聞およびテレ東WBSによる)

テレビのアフタヌーンショーなんかを見ていると、ミャンマーの国軍は悪で(確かに民主主義の世界でのクーデターはよろしくないでしょう)アウンサンスーチーがまるで悲劇のヒロインみたいな印象を持ってしまいますが、そう一筋縄でいくよう話ではないのでしょう。

今回の国軍の行動を擁護するつもりは毛頭ありませんが、軍による政治=悪という図式もどっかで刷り込まれたことではあります。歴史的にみたら、日本では長く武士(今風にいうと軍でしょう)が政権を握っていました。その時代がすべて悪であるわけではありません。むしろヨーロッパの腐敗した貴族政権みたいに堕落していかなかったという点では優れていたと言えるかも知れません。

政治家個人だと麻生太郎という政治家もテレビに映っている姿だけを見ていると、少し頭が悪くて傲慢な印象がありますが、インターネットテレビの番組を見るととても紳士的で思慮深い方との印象を持ちました。彼は特定の記者たちが嫌いで、その記者たちの質問にいつも苛立ちを見せる、というかその記者たちに乗せられやすい人だろうとは思います。ある意味正直な人なんでしょう。テレビメディアからその部分だけ切り取って報道されて「少し頭が悪いくて傲慢」という人物像が出来上がったとするならば恐ろしい話ではあります。

ごく最近では森喜朗の「女性は話が長い」発言がアメリカにまで飛び火していますが、この人もメディアの餌食にされやすい人です。20年以上前に「日本は神の国だ」発言でさんざんメディアからたたかれましたが、よく調べてみるとこの発言はなんでも神社関係の人たちの集まりでの発言だそうで、日本には八百万の神がいるというのを「神の国」と言ったようです。神道的な立場の考えからも多くの国民の意識として日本に神はひとつだけとは思っていない現状からも、ごく普通のことを言ったに過ぎないと思います。まぁメディアから攻撃されやすい人は意識してしっぽを踏まれないようにしないといけないとは思いますが。

私たちはひとつのメディアだけの情報を鵜呑みにするのではなく、いろんな角度から吟味する必要があります。そもそも政治関連の話は複雑な要素が含まれていますので、当事者でない限り一方の話を信じないことが重要なのではないでしょうか。