リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

桑名の殿さん

2022年05月06日 21時25分52秒 | 音楽系
「桑名の殿さん」というお座敷唄があります。桑名の殿さん(殿様)の唄ですが、ここで歌われている殿様は、本多氏や松平氏の本物の殿様ではなく、明治時代に米取引で財を成した新興成金の人たちのことです。羽振りがよかったんですね。

世間的にはこんな感じで広まっています。



YouTubeではこの系統のバージョンばかりですが、桑名の「本物」は違うんですよね。実は私は小さいときにやんちゃさんという桑名の芸妓さんが歌っていた「桑名の殿さま」を聴いてよく覚えています。父親がどっかから借りてきたのか自分で録音してきたのかはわかりませんが、オープンリールテープの音源でした。それとは歌詞は同じですが、メロディラインがかなり異なっています。

このメロディを探しましたたらひとつだけありました。



You Tubeにアップされている桑名の殿さんはへったくそなのも一杯ありますが、このお二人の演奏はピカイチです。コメントもさせて頂きました。さらにぐぐってみるとやんちゃさんのレコードが国立国会図書館に歴史的音源として所蔵されていることもわかりました。ただネットでは聴くことができないようで、国立国会図書館にでかけるか「歴史的音源配信提供参加館」の各図書館にでかけないと聞けないようです。残念ながらその中に桑名の図書館は入っていません。桑名市が重要性を認識していない?文化的認識の低さ、デジタル化の遅れがこんなところにも。