解題の最後
80小節目からのバスは1オクターブ下げています。他の調における編曲でもこの部分はオクターブ下げて開放弦で弾くというものも多いです。本編曲の84-86小節のバスがオクターブ飛びまくっているので上手に弾かないと妙な感じになってしまいます。
特に85,86小節はもう1オクターブ下げて原曲と同じ音程幅にしたいところですが、技術的にかなり困難を伴うので断念しました。もっとも本編曲の1オクターブ上でも冒頭、5ポジションから9フレットまで小指が届く人はそう多くないでしょうから、バスのアーティキュレーションを工夫する必要があります。
このあたりのオクターブ飛びまくりバスにしたひとつの根拠として、ヴァイスのソナタ28番(名だたる海賊)のプレストのバスの例を挙げておきたいと思います。前半部ではF, G, A, h, kontra C というバスがあります。本来は当然FGAHCでしょう。また後半の冒頭のバスは、c' (kontra Cが下に重なる), h, A, E...でこれもオクターブ飛びまくりです。ヴァイスでも自作で技術的な問題解消のためにこういった動きを取り入れています。ただしこの動きを許容できるのは複弦でオクターブ弦が張ってある楽器に限ります。シングル弦の楽器だと許容を超えてしまいます。リュートのバスはこういった流れになりがちで、むしろそれがリュートというものだ、リュートの個性だと捉えられていたようです。バッハ自身のリュート作品にもあえてそう言った動きをしているバスやフレーズがあります。
87小節目の上声部3つ目の音は、多くの編曲や録音では b (オリジナルキーでは as )ではなく h (同 a )になっています。新バッハ全集でも同様です。バッハはこの曲を書いているときに少し前あたりで紙面がないことに気づき記譜を五線譜からオルガンタブに切り替えています。そういう事情もあってかこの部分の議論はあまりされることがありません。しかしオルガンタブを読んでみるとここは明らかに as になっていますので、本編曲でも b にしました。左手の技術的には h の方が楽なんですけどね。(笑)
80小節目からのバスは1オクターブ下げています。他の調における編曲でもこの部分はオクターブ下げて開放弦で弾くというものも多いです。本編曲の84-86小節のバスがオクターブ飛びまくっているので上手に弾かないと妙な感じになってしまいます。
特に85,86小節はもう1オクターブ下げて原曲と同じ音程幅にしたいところですが、技術的にかなり困難を伴うので断念しました。もっとも本編曲の1オクターブ上でも冒頭、5ポジションから9フレットまで小指が届く人はそう多くないでしょうから、バスのアーティキュレーションを工夫する必要があります。
このあたりのオクターブ飛びまくりバスにしたひとつの根拠として、ヴァイスのソナタ28番(名だたる海賊)のプレストのバスの例を挙げておきたいと思います。前半部ではF, G, A, h, kontra C というバスがあります。本来は当然FGAHCでしょう。また後半の冒頭のバスは、c' (kontra Cが下に重なる), h, A, E...でこれもオクターブ飛びまくりです。ヴァイスでも自作で技術的な問題解消のためにこういった動きを取り入れています。ただしこの動きを許容できるのは複弦でオクターブ弦が張ってある楽器に限ります。シングル弦の楽器だと許容を超えてしまいます。リュートのバスはこういった流れになりがちで、むしろそれがリュートというものだ、リュートの個性だと捉えられていたようです。バッハ自身のリュート作品にもあえてそう言った動きをしているバスやフレーズがあります。
87小節目の上声部3つ目の音は、多くの編曲や録音では b (オリジナルキーでは as )ではなく h (同 a )になっています。新バッハ全集でも同様です。バッハはこの曲を書いているときに少し前あたりで紙面がないことに気づき記譜を五線譜からオルガンタブに切り替えています。そういう事情もあってかこの部分の議論はあまりされることがありません。しかしオルガンタブを読んでみるとここは明らかに as になっていますので、本編曲でも b にしました。左手の技術的には h の方が楽なんですけどね。(笑)