リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

久しぶりの通奏低音

2023年09月08日 16時18分07秒 | 音楽系
通奏低音といっても演奏ではなく、文章表現としての通奏低音。最新の「通奏低音」の用例です。

300万円を切れば経済誌も納得!? BYD ドルフィンは「普及型EV」の先駆けとなるか筆者南陽一浩 Automotive media Response
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SUVというよりはトールスタイルのハッチバックといった風情で、落ち着いたツートンカラーごとデザインは格別に真新しいものではないが、古臭さも感じさせない。聞けば通奏低音となるモチーフはその名の通り、海洋生物らしさ、イルカの躍動感だそうで、ボディサイドの前方に向かう矢印のようなキャラクターラインも、水面を跳ねながら泳ぐイルカをイメージしているのだとか。
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今伸び盛りの中国のEVメーカーBYDが日本で発売するドルフィンという車のレビューです。通奏低音ということばをWebの記事で見たのも初めてだし、自動車のレビューで読んだのも初めてです。いままではちょっと気取った感じの文章に使われる傾向が多かった「通奏低音」ですが、この用例はある意味画期的です。軽いタッチの文章で軽いノリで使われていますが、元が通奏低音というバロック音楽の根幹となる仕組みを表す重みのあることばだけに、この語が文章を少し引き締まった感じにする効果を与えています。

最近は学術っぽい文章やちょっときどった文章にもあまり使われなくなった感がする「通奏低音」ですが、こういう軽い使い方でもっと使われるようになると面白いです。