リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

リュートの調弦の仕方(7)

2023年09月24日 13時08分02秒 | 音楽系
Lehmann氏に触発された訳ではありませんが、私も平均律に近いですがそれを気持ち修正して少しでも長三度がきれいに響くフレッティングを考案して試してみました。平均律は純正5度702セントを700セントにして、2セント分妥協しています。これを699とか699.5くらいの妥協にしたらどうか、という考え方です。

幸いなことにバロックリュートは前回の(5)で書きましたように1箇所(3コースと2コース間の完全4度)を設定したらあとはすべてオクターブ(こちらは純正8度)で合わせることができるというとてもシンプルな調弦です。4度がいくつもあるルネサンスgチューニングとか5度を3つ組み合わせるヴァイオリン系の楽器よりシンプルといえます。
要するにバロックリュートはこの完全4度をどのくらいにするかで基本フレッティングが決定できるのです。平均律なら500セントです。これを耳で妥協できるギリギリのところまで上げるわけです。(完全5度をギリギリまで下げるわけですから、完全4度は上げることになります)

かなり平均律に近いですが、違っているのは長3度は平均律よりきれい、完全4度・5度は平均律よりは少し劣る(濁る)けど、まぁ納得できるレベル、という感じのフレッティングになります。次回に具体的方法を書いてみます。これを始めから書かんかい!と言われそうですが。(笑)