リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

みんな2枚舌

2023年09月09日 12時01分43秒 | 日々のこと
少し前のメルセデスベンツの全面新聞広告では、同社はEVつくりに邁進していくようなことをアピールしていました。同社は「2030年完全EV化」ですからね。でもよく読んでみると、「お客様が求める限りは」という文言がくっついていました。お客様が求めなければ完全EV化はしないということです。

最近同社は2030年までのオールEVは先が見通せない、なんてコメントを発表しています。でも同じ記事で100%EV化に向けて準備をするなんて言っています。EV化の方向は多分に政治的意味合いが強いですから、技術的な側面をよくわかっているメーカーは要するにどっちにころんでもいいというふうにしておきたいというところでしょう。

ホンダは2040年までに内燃機関の生産を廃止するといっています。あと17年後ですが、エンジンのホンダがこんなこと言っちゃって大丈夫なのかな?でも17年も経てば経営陣もその話を聞いたマスコミの記者も総入れ替わりをしているでしょうから、17年後になって「内燃機関廃止って?、ナーンチャッテ」と言えば済むのでしょう。

トヨタは一番正直で正論を貫いているように思えます。マスコミや評論家はトヨタのEV化の遅れを指摘しますが、HEVに20数年の歴史を持つ同社がEVに関するノウハウがないわけはありません。

中国がゴールポスト変更でEV化にかじを切り、ディーゼル不正でなんとかしたいドイツ(欧州委員会)が中国のEV化に目を付け、アメリカのカリフォルニア州なんかもそれに乗っかって、いわば総ノリ状態でのEV化です。決して二酸化炭素削減のベストソリューションとして導き出したものではありません。

私の愛車MINI Crossover (F60)はお値段が400万を切り、軽油給油時間5分以内、ワンタンクで1000km以上走ります。それと同じスペックのEVはまだないです。F60も近々フルモデルチェンジをするそうですが、ディゼルモデルは残っています。ミニブランドも2030年までに完全EV化をうたっていますが、あと7年ですからねぇ。過去7年の電池の発展はマクロの視点に立てば微々たるものです。シロウト考えですが、あと7年で突然急激に充電時間も電池容量も改善されるとは思えません。ミニも多分うまいこと言って内燃機関も残すのではと思います。

理由は簡単、完全EV化したらMINIの売り上げは激減するでしょうから。仮に今と同じ航続距離を持つような仕様にしたとしても多分それは1000万近くいくでしょうから、そんなMINIはさすがに誰も買わないでしょう。