リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

リュートの調弦の仕方(8)

2023年09月26日 10時33分36秒 | 音楽系
では具体的にどうするかについて書いてみましょう。ドンピシャで「音程間隔は何セントです」と言ってくれる機械はないので、うなりを数えます。

完全4度は498セントですが、平均律では500セントなので、2セント分高く、「妥協」しています。

2-3コースの4度のうなりを平均律のうなりより気持ち多め、1秒間に3個~4個くらいにします。一度平均律できっちり2コース3コースを合わせてみてうなりの数を確認します。平均律は2個ですのでそれより気持ち多くなるようにあわせます。とても繊細な作業なので、音程が揺れる不良弦やペグがスムーズに動かない楽器ではこの作業は不可能です。そもそも不良弦の音程が揺れているその範囲内の調整ですから。

1秒間のうなり回数を数えるのは、ストップウォッチで計測するのではなく、メトロノーム60での2連符(8分音符2個)、3連符、4連符(16分音符4個)のリズムを覚えてそれに合わせます。