リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

スピーカー刷新顛末記(1)

2022年05月21日 11時04分19秒 | 音楽系
我が家のリビングルームのオーディオは上の下(中の上?)クラスのセットが鎮座しています。オーディオ機器のお値段は天井しらずですので、さすがに100万クラスのものは買えません。

スピーカーはHarbeth Compact 7、SACDプレーヤーがデノンDCD-1650SE、アンプがLuxman L-507fという構成。購入時期はみんなばらばらで、スピーカーが1995年、アンプが2002年、SACDプレーヤーが2012年です。アンプはつい最近修理に出してオーバーホール済です。

スピーカーは1995年に購入してもう27年も経っているので、右のスピーカーがちょっと音の出方がよくない感じもします。聴いていればなれてくるレベルですが気にして聴くとやはり少しバランスが悪いです。

そこで、よし、ここでひとつ新しいのを買おう!と大英断を下しまして、早速名古屋市の少し北にあるOオーディオ店に試聴に出掛けました。

ここは名古屋地方にあるオーディオ店でも三指に入る有名店らしく、沢山のスピーカーが所狭しと置かれておりました。お店ではお金持ちそうなおっさんが特別試聴室に入っていき何やら聞き入っていました。特別試聴室にあるのは100万円以上のクラスらしくこれは「上の下」志向の私には縁がありません。

お店のお兄さんに頼んで、30万クラスから80万クラスのものを試聴させてもらいました。このとき、自分でCDを持ってくるのをうっかり忘れていたのに気づきましたが、店に置いてあるCDでマーラー6番(クルレンツィス/ムジカエテルナ)と福田進一さんのギターソロを聴いてみました。一番気に入ったのは、Paradigm Founder B40でした。かなり派手な感じではありますがとてもきれいになるスピーカーでした。よし、即決というのはお値段がお値段(40万近くします)ですので、さすがにせず家に帰って冷静に考えてみることにしました。

How Great Thou Art

2022年05月20日 14時59分16秒 | 音楽系
孫のチェロの先生からの依頼で、How Great Thou Art という聖歌をチェロ4本の合奏の形に編曲してみました。この曲は私は知りませんでしたが、調べてみるとキリスト教圏の人だと年代を問わず誰でも知っている曲のようです。

その先生のチェロ教室の発表会では生徒各自がソロを弾きあと何曲かみんなで合奏をします。その時用の曲です。チェロ教室は小さい子供から若い人が中心で、発表会のビデオを見た感じでは中年、老人層はあまりいませんでした。聴衆は親と祖父母ですから全世代が知っている曲ということでこの曲を選んだようですが、アメリカはキリスト教社会を通じて各年代層のつながりがしっかりと保たれているようです。

音源は本当はチェロで作りたかったのですが、いいものがないので金管合奏(フレンチホルン、トロンボーン、チューバ)にしました。思いっきりエモい感じにしてみました。なんかの映画の夕暮れのラストシーンに流れる音楽という感じです。

How Great Thou Art

キラキラネーム

2022年05月19日 19時27分42秒 | 日々のこと
光宙と書いてピカチュウと読むそうな。こんな名前でもいいらしいです。法制審議会がキラキラネーム対策?として中間試案を出しましたが、どのあたりで落ち着くのでしょう。

昔だと森鴎外の子供が、長男が於菟(おと)、長女茉莉(まり)、次女・杏奴(あんぬ)、次男・不律(ふりつ)、三男・類(るい)で当時としてはえらいハイカラな名前ですが今で言うキラキラネームではなさそうです。でも当時としてはぶっ飛んだ名前だったことでしょう。

以前タカヒロ君という男の子に会ったことがありました。一緒にいたお母さんにキラキラネームじゃない名前はいいですね、って言おうと思いましたが、まぁいちいちそんなこと言う必要はないかと思って、「どんな字を書かれるのですか?」と尋ねると、お母さんは「うちゅう、と書きます」というお返事。

宇宙で「たかひろ」、キラキラネームみたいに見えたのでそのときは余計なことを言わなくてよかったと思いましたが、あとでよく考えてみるとこれはキラキラネームではないようです。宇宙の宇は無限の空間的広がり、宙は無限の時間の流れを意味するそうですから、字義と読みは合っています。桑名市の市長さんは伊藤徳宇とおっしゃいますが、徳宇で「なるたか」と読みます。「宇」は「たか」ですね。天皇陛下は徳仁というお名前ですから、市長さんなかなかのお名前です。

日本語の名前は漢字の造語力+訓読みの自在さでもう無限と言えるくらいいろんな名前を作ることができますが、ヨーロッパ語はそんなに造語力がないしそもそも名前の種類自体が少ないため、2つの名前を組み合わせることがあります。ジャン=ピェール、ホセ=ミゲル、カール=アンドレアス、みたいな感じです。昔アメリカ人の知り合いでジェイピーという人がいましたが、ホントはジョン=ポールみたいな名前だが長ったらしいので2つの名前の頭文字だけをとって自分の名前にしているとのことでした。まぁいずれにしてもヨーロッパの人たちにはキラキラネームはなさそうです。

プレリュード・フーガ・アレグロのヘ長調編曲(20)

2022年05月18日 16時47分46秒 | 音楽系
プレリュードの後半です。



前回のプレリュードの前半で書き間違えたところがあるので訂正です。

23小節目の4つ目の音(f)は1コースの開放弦です。
30小節目の3つ目の音(e)は2弦で出します。

それから今回の分で36小節目の最初音(上声部)の左手指は2の方がいいと思います。いろいろ選択肢はありますが・・・この小節の最後の上声部は指を3に替える必要があります。

36の後半から38小節の前半にかけての部分はリュート曲の音型ではまず見られない形なのでとても弾きにくいところです。バスもオクターブ下げたところがあります。無理をしてオクターブ下げない方法も考えられますが、そこまでする必要はないでしょう。46小節目3拍目のバスと中間声部→4拍目のバスと中間声部)は平行5度にしました。これは主に技術的な理由からです。

この部分に関しては以前取り上げたことがありますが、自筆譜が明確でないためいろんな議論があります。旧バッハ全集では平行五度、新バッハ全集では平行五度回避になっていて、新バッハ全集が正しいのかというとそう単純に割り切れないところがあります。自筆譜の3拍目中間声部の音は修正の跡があり、修正された音は平行を回避しています。でもこの修正がバッハの手によってなされたのか後世の誰かによってなされたのかがわからないのです。自筆を科学的に鑑定すればわかる可能性はありますが、現在行方不明中なのでなんともいたしかたありません。

何やら荷物が

2022年05月17日 19時56分25秒 | 音楽系
最近注文した覚えはないのですが、何やら荷物が届きました。



手に持ってみると大きさの割には軽い荷物です。送り主は厚生労働局医政局経済課ですが、その下に「マスク」の文字が。アベノマスクですね!応募したのに届いていないので、選に漏れたのだとばかり思っていましたが、当選したんです。

開けてみますと、



ぎっしりアベノマスクが入っています。100枚くらいでしょうか。

きちんと個包装されています。



製造元は中国です。



この100枚のアベノマスクの使い道ですが、マスクとして使うとすぐアベノマスクだ!って分かってしまうくらいキャラが起っていますので、別の用途を考えないといけません。綿で出来ているのでリュートのリブ面を拭くのに使ってみましたが、ちょっと市販のガーゼよりは硬いのでやめた方がいいかも知れません。

ネットで使い道を検索してみましたら、料理や園芸に使ったり中には5枚使い産着に仕立てたりした方もいらっしゃいました。あと野菜の保管(大根の切り口に当てる)とか窓ふきに使うとかいろいろアイデアが載っていました。ウチはとりあえずはまずマスクとして使ってみましょう。車の中に入れておいて、マスクを忘れたときに使う非常用車載マスクですね。これに5枚くらい。あとはいろいろ考えてみましょう。

歯科受診

2022年05月16日 17時46分05秒 | 日々のこと
今日は朝早くから歯医者さんに行ってきました。朝早くと言っても9時の予約ですが。

行くのは約一か月ぶりです。実は右の奥歯が今年の2月くらいからだったと思うんですが、物を噛むとなんか歯が浮いているような軽い痛みを感じるようになってきました。

しばらく我慢していたのですが、これはもうちょっと我慢できないところに近づいて来ているなと思いましたので、4月の始めにかかりつけの歯医者さんを受診しました。レントゲン撮ってもらうと歯の根っこが炎症を起こしているそうでした。

かみ合わせをチェックしてもらうと、少しその歯が高めでしたので削ってもらいました。すると多少は楽になった感じでしたが、根本的には解決していない感じでしたし、歯茎に少し腫れも出てきました。

そして今日またレントゲンを撮って調べてもらいましたら、歯が割れていると院長先生はおっしゃいました。何とか生かすことはできないかと尋ねましたが、もうこの歯は抜くしかないらしいです。抜いたら入れ歯かインプラントになるので、その相談に話が進みました。

その話の流れの中で、また少し戻って何とか抜かないで済む方法はないか、重ねて院長先生に尋ねましたら、先生、しばらく考え込んでいて、それならいいところを紹介しようということになりました。そこはもう抜くしかないというレベルの歯でも再生させる技術を持っている医院だそうです。凄腕の歯医者さんがいらっしゃるわけです。

その紹介して頂いた歯科医院は長野県にあり、ウチからだと車で4時間弱くらいです。まぁこのくらいだとちょっとしたドライブに最適の時間です。その凄腕の歯医者さんはかかりつけの歯医者さんの先輩だそうで、紹介状を書いていただき今までのデータも送ってもらえるそうです。近所にいい温泉でもあれば帰りに寄ってこようかな。(笑)

桑名六華苑春のミニコンサート

2022年05月15日 16時50分49秒 | 音楽系
桑名の六華苑の敷地は、江戸時代に桑名の豪商山田彦左衛門が建てた邸宅が元になっていて、明治になってから山林王諸戸清六の所有になり、30年くらい前に諸戸家が桑名市の寄贈したものです。諸戸清六の時代に鹿鳴館を設計したジョサイア・コンドルに依頼して洋館が建てられそれに日本式家屋が連結されたとてもユニークな建築構造になっています。

そこで春と秋にミニコンサートを開催していますが、今回はソプラノの佐地多美さんにご一緒していただきました。


中央少し左寄りに本日のコンサートのポスターが貼ってあります。

実はこのコンサートは「三度目の正直」なんです。というもの、元々は2020年の5月に開催する予定だったのが緊急事態宣言で延期になり、その1年後に予定するもまたまん延防止措置で延期になりました。今回少し感染状況が落ち着き感染対策にも変化が出てきて開催する運びになりました。

プログラムは以下の通りです。

ヘンリー・パーセル (1659-1695) 、ジョン・ドライデン ( 17世紀 )/ ひとときの音楽は

山田耕筰 (1886-1965)、北原白秋(1885-1942) / この道*

山田耕筰、三木露風(1889-1964) / 赤とんぼ*

中川祥治(1951- )、野口雨情 (1882-1945) / べにがらとんぼ

わらべうた、本居長世 (1885-1945)採譜 / 通りゃんせ*

中川祥治 /古のプレリュード、プレリュード「夏のうた」(リュート・ソロ)

弘田龍太郎 (1892-1952)、清水かつら (1898-1951) / 叱られて*

中川祥治/ 風のたよりに(リュート・ソロ)

中田喜直 (1923-2000)、金子みすゞ (1903-1930) / ほしとたんぽぽ、みんなをすきに

*中川祥治編曲

プログラム中、べにがらとんぼと風のたよりには本コンサートのための書下ろしです。このコンサートはもともとは名古屋と桑名で行う予定のコンサートで、名古屋の分はすでに2021年2月に開催してこれらの曲も演奏致しました。

コンサートが終わって久しぶりに聴きにきてくださった方たちと六華苑に隣接するレストラン・Roccaで打ち上げです。



こんな立派なモンブランをいただきました。



プレリュード・フーガ・アレグロのヘ長調編曲(19)

2022年05月14日 22時03分19秒 | 音楽系
プレリュードのVer. 2.1 です。



何度も弾いてみたので大体最適化されていると思います。まだまだ変わる余地はあるかも知れませんが。バスはできる限り開放弦で出せるようにしてあります。

詳しくは「解題」編で書きますが、メロディをレガートに弾くかがなかなか難しいです。鍵盤楽器だと音階的な部分と和音的な部分を同じような感じ弾くのはそう難しくはありませんが、リュートの場合はそれがなかなか難しいです。どうしても和音的な部分の音が重なり過ぎて、音階的な部分との違和感が生じます。

バスの音に下線がついているところはオクターブ弦だけを弾きます。

断捨離 or not 断捨離、or...

2022年05月13日 15時10分00秒 | 日々のこと
最近老人が増えたせいか、新聞の書籍広告を見ているといわゆる断捨離を勧めるものが目立ちます。かと思えば捨てない方がいいんだ、という内容のものもあります。人から聞いた話では断捨離で捨てすぎてあとで困ったという話も聞きますし、物がたまり過ぎたが処分する気も起こらないとも聞きます。

最近のエントリーで、メルカリをよく使ってものを売っていることを書きました。新品の布ぞうりを売る時はそのまま売るだけですが、自分が所有していたものを販売するときは必ずいくつかのことをします。

ひとつは掃除。そのものの掃除ともうひとつ、それが置かれていた場所の掃除です。あと電子機器だったらマニュアルを探して、なければネットで検索しますが、よく読んで購入時の付属品一覧を確認します。そして通電して全ての動作ができるかどうか確認します。昔父親が持っていたフィルム自動巻き自動露光のカメラは確認の仕方がわからないので、ジャンク品として出品しましたが、基本きちんと動作確認して出品します。中にはわざわざ修理に出して出品したものもあります。当然その方が高く販売できます。

掃除したりマニュアルを読んだり、動作確認をすればその品と向き合わなくてはいけません。そしてそのことはかつてそれらを使っていた自分と向き合うということでもあります。使えることを確認して次の方に使ってもらう、その品の命は次の方がまた守ってくれます。これって粗大ごみとしてポイ捨てやそのまま業者さんに持って行くよりはずっと有意義ですよね。一石二鳥ところか三鳥、四鳥もあると思います。少し労力は要りますが、その労力以上の価値はあります。

人気記事?

2022年05月12日 21時10分19秒 | 音楽系
当ブログもバーゼルにいた時代から書き始めてはや足かけ18年になりますが、多くはたわいもないことを書いた内容です。そんな中、結構繰り返して読まれている記事もパラパラとあります。

一番繰り返し再読されているのは、R. ダウランド著の VARIETIE OF LUTE-lessons書の翻訳連載です。100回以上連載しましたので、再読の比率は高いのでしょうけど、時にいくつも連続して読まれる方も。多くの方には連載の途中で挿入しているまとめの回が人気があります。

SONY の Wena3 というリストバンド型の端末の記事もよく読まれます。この連載ではその機種のバグとかマニュアルの不備を指摘していますので、恐らくそれらのことで困った方がググって当ブログの記事に行きつくのではないかと思います。SONYはソフトウェアのバグは直してくれているのでしょうか。すでにApple Watch派になってしまっている私はいちいち調べもしていませんが。

随分古い記事で「バロックリュートを弾こう」という題の記事も長きにわたって読み続けられているみたいです。ということは全国でバロック・リュートを弾いてみたいという人がずっと一定数存在しているということで嬉しい限りです。

あと何種類かのタイトルで書いていますが、天正少年使節が秀吉の御前演奏を行ったことを扱った記事もよく読まれているみたいです。御前演奏の曲目は「皇帝の歌」だ!という俗説といいますかトンデモ説といいますか、そういう説が定説になってしまっている現状に風穴をあけようといろんな方面から検証やら批判やらを書いた記事です。

番外編ですが、エイプリルフールのヨタ話もときどき思い出したように再読されています。ことしは掲載しなかったのですが、来年はどうかしら。