院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

モダンジャズの歴史(1)

2011-04-08 13:41:34 | Weblog
 音楽のいわゆるクラシックでは、ピアノ曲あたりは、演奏と作曲が同時だった。すなわち、ほとんど即興だった。

 モーツァルトもショパンも自分で弾いた。それを譜面に起こしたものが現在残っている。リストは超絶技巧をもっていたから、超絶技巧練習曲なんていうものも残している。

 現在、クラシックというと、彼らの作品を指していて、それ以降の楽曲は見向きもされない。ということは、クラシックはすでに完成されたものであり、それ以上に出ることが難しいのだと思われる。

 ジャズは、スイング、デキシーランドなどの種類があったけれども、それらは現在、一部の好事家のみが聴くだけである。今でも聴かれているのは、それ以降に出てきた「バップ」と呼ばれたモダンジャズである。

 すでに述べたけれども、バップは1960年台の曲や演奏スタイルが、現在、飲食店や居酒屋のBGMになっている。BGMになっているということは、すなわちクラシック(古典)になったということだ。

 1960年台の演奏スタイルが残っていて、それ以降がすたれたいきさつは、クラシック音楽が辿った道と似ている。ベートーベン、ブラームスたち以降は、せいぜいR・シュトラウスが残っているくらいで、他は見向きもされない。

 1960年台のモダンジャズは譜面に残されるようになった。昔、ジャズの世界ではオリジナルが重んじられ、コピーが蔑まれたものだが、今では譜面を見て弾くプレイヤーもいる。

 モダンジャズはその名称とは裏腹に、いまやクラシックとなってしまった。