院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

コンピュータ将棋

2011-04-18 10:54:38 | Weblog
 プロ棋士がコンピュータと将棋をさすことを、日本将棋連盟会長の米長邦雄氏が禁止している。

 囲碁のほうには、そうした禁止事項はない。いまのところ囲碁のコンピュータソフトは将棋ほどに強くない。

 つまり、プロ棋士がコンピュータと将棋を指すと、負けてしまう可能性があるから、禁止されているのだろう。でも、いつまで禁止するつもりだろうか?将棋ソフトはどんどん強くなっている。

 スーパーコンピュータがもっと速くなれば、さらに強くなるだろう。スーパーコンピュータがもっと速くなるきざしはある。量子コンピュータが実用の段階に入ってきている。量子コンピュータが作られれば、今のスーパーコンピュータより1000倍くらい速くなるだろう。

 プロ棋士はそうなる前に、コンピュータソフトの弱点を研究しておくべきである。そうしないと、本当にコンピュータに負けてしまうだろう。

 将棋ソフトの弱点は中盤である。ソフトには「感覚的な」手というのが打てない。中盤は感覚がものを言う。だから、そのあたりの弱点を研究しておけと言っているのだ。

 「寄せ」や「詰め」はコンピュータの得意なところである。何10手も何100手もコンピュータなら読んでしまう。いくらプロ棋士でも100手の詰将棋を読まれたら、もうコンピュータには勝てない。

 そのうちに将棋ソフトは中盤も強くなるだろう。そこには怨念が懸かっていることをプロ棋士は忘れてはならない。怨念とは、プロになりたくてプロになれなかった、すなわち奨励会を卒業できなかった強豪たちの怨念である。

 奨励会からプロになれなかった者たちは、将棋ソフトの改善に積極的に協力している。メモリ容量も、量子化されれば激増するだろう。これまで打たれたすべての棋譜をメモリに置いておくことも夢ではない。

 そうなる前にプロ棋士は、将棋ソフト攻略法を練っておかないと、手遅れになるだろう。いや、もう手遅れかもしれない。