院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

PTSDという架空の疾患

2011-04-12 08:47:42 | Weblog
 PTSD(心的外傷後ストレス障害)という名称がじわじわと宣伝されている。

 中日新聞愛知県版の4月11日の朝刊では、署名入り記事で「(子供たちの)PTSDを心配している親もいる」という表現で、PTSDが疑いなき疾患単位であるかのように書かれている。

 同じく4月11日のフジテレビでは、なんとあの池上彰さんが「(PTSDは発症が遅いから)これからPTSDが出てくることが心配される」と説明していた。池上さんは影響力が強いから、PTSDは無邪気なアメリカ人が政治的に作った概念で、医学的な病名とは言いがたいというところまで解説してほしかった。

 このようにして、やがてPTSDは大騒ぎになるだろう。そうなる伏線はもう敷かれている。

 トラウマのない人なんかいないのだから、PTSDがあたかも確立した疾患のように言うのではなく、またPTSD概念の胡散臭さを私のような開業医が言うのでなく、もっと影響力の強い「権威」に言ってほしい。

 2011-3-29 のこの欄の記事を参照してほしい。