最近まで103倍は小文字のk(キロ)、熱力学温度は大文字のK(ケルビン)と区別していて、他の方にも事あるごとに指摘していた(正解ではある)が、どうも同じ103倍でもkとKが出てくる。調べていくとコンピュータの世界で210=1024を表すのは、慣例でKを使っている様です。下記に、その説明の抜粋を述べる。
あくまで、SI(国際単位系)ではk(キロ)、K(ケルビン)となっています。
単位につける接頭語にキロ(kilo)があります。キロメートル、キログラムといったものの「キロ」ですね。平凡社の「世界大百科事典」には、ある量を表すときの単位につける接頭語で,103倍の意味。記号には k を用いる。国際単位系(SI)で SI 接頭語の一つとして採用されている。例えば,距離30 000mは30km,電圧15 000V(ボルト)は15kV(キロボルト)というようによく使われる。
とあります。などと誰でも知っていそうなことをえらそーにここで書いても仕方ないわけですが、世間一般には「キロ(kilo)」は103、つまり1000倍を意味し、小文字の“k”の記号で表します。しかし、これがコンピュータの世界になると、103 ≒ 210 なのをいいことに、この接頭語を210の意味で使うことがしばしばあるわけです。などと言うと、
「いや、それは違う。103は小文字の“k”を使い、読みは『キロ』だけど、210は大文字の“K”を使い、『ケー』と読むことによって厳格に分けているんだよ。これってすごく優れたやりかたなんだ。わかる?」
とか突っ込みを入れる人が必ず出てきます。いや、それは知ってますって。でも、そういう人に限って、「14.4Kbps」(読みは「じゅうよんてんよんけーびーぴーえす」)とか言ったりするんですよね。あの、それって14400bpsのことだから、103の意味で、「14.4kbps」(じゅうよんてんよんきろびーぴーえす)と言わないと誤りじゃないんでしょうか。
そもそも、「大文字のK(ケー) = 210 = 1024 を表す」というのの発祥はどこなんでしょうか。いろいろ調べてみたところ、「ASCII24 - アスキー デジタル用語辞典 - K」にこんな記述を見かけました。
なおIEEEでは、1000を意味する場合には小文字の「k」を、1024を意味するときには大文字の「K」を表記するようにしており、出版物などでもこの表記法にならったものが多い。
いずれにしても、そうやって「k(キロ)」と「K(ケー)」を厳格に分けて表現したところで、106と220はどうやって区別するんでしょ? 「4KB」を「よんけーばいと」と読む人はそこそそこいるようですが、「4MB」を「よんえむばいと」と読む人や、「4GB」を「よんじーばいと」と読む人に出会ったことはいまのところありません。そもそも“k”と“K”のように大文字・小文字に書き分けができませんし。
結局のところ、「キロ」と「ケー」にだけこだわったところであまり意味が無いよなあ、と私は大昔から思っていて、以前から気にせずに「キロバイト」とか言っています。
KY(空気読めない)のKでは有りません!