Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

幻の「なは総合案内所」

2010年09月24日 | 
 あってはならないことが起こってしまった。関空から南海電鉄のなんば駅で降りて、御堂筋線に乗り換えようとエスカレーターを下っていたとき、一瞬ぼくは目を疑った。
「なは総合案内所」
 そんな看板が下の方に見えるのだ。那覇がこんなところにあるはずがない。それとも大阪には沖縄の人が多いので、那覇市観光協会はこんなところで営業活動をしているのだろうか?そんな馬鹿な……。ぼくはもう一度繰り返し同じ看板をみた。
「なは総合案内所」
 エスカレーターはだんだん終着点に近づいてきた。やはりそう書いてある。でもおかしい。あるとすれば、沖縄県の観光案内ではなくてはならないじゃないか。ぼくは、エレベーターを下りきると、その入り口の前にたって、しっかりと表示を眺めた。
「なんば総合案内所」
 ぼくは唖然とした。あってはならない大きな過ちを犯してしまったのだ。「なんば」が「なは」に見えてしまうなんて、そうそう間違えるものではない。ぼくは、身も心もすべて沖縄に売ってしまったのか?いやいや、そんなことはない。これは何かの間違いなんだ。
 その後、ぼくはしばらくの間、すっかり落ち込んでしまった。この間違いは救われない。どうすればいいんだ?どうしたら、この過ちを繰り返さずにすむのだろう?
 はたと思って「なは総合案内所」の写真を撮影しようと思ったのだが、やめた。傷口に泥を塗るようなものだと気付いたからである。