Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

台北ー那覇間の機内でのある奇妙な風景

2010年12月30日 | 

 長ったらしい題を付けてしまいましたが、本日、無事に那覇に到着しました。ということでまずは帰国のご報告。今回のバリ関係のブログは、このタイトルの通り、台北から那覇へのチャイナ・エアーラインでのついさっき体験してきたほやほやの風景(といってもバリの話じゃありませんが)から、始まります。

 私は、飛行機の席は必ず通路側と決めている。まあ、だいたいの人はそうだろうが、まずお手洗いに行くとき人を跨がなくてすむし、正直なところ窓から下を見るのが怖い。できるだけ窓から離れている席が嬉しいのである。
 昨晩、デンパサールで受け取った台北から那覇間のチケットは8Cだった。ということは、3人掛けの通路側の公算が高いと感じた。3人席の場合は、空席が多いと、気の利いたカウンターの人はB席をブロックしてくれる。つまり、知らない人との間に一席分、間が空くのである。しかし混んでいると、ここには二人連れが来る可能性が高い。まあ、疲れているからどっちでもよかったが、今回は台湾からの若いアベック(カップル)に当ってしまった。別にここまではどうでもいい話である。どうせ1時間5分は大切な睡眠時間なのだ。ところが、結果から言うと、ぼくはこの二人の奇妙な行動のおかげで一睡もできなかった。とにかく気になるのである。
 たいてい二人連れだと、男性の私が通路側にいれば、窓側に女性を座わらせて、男性が真ん中に来る。そこまではよかった。ところが、この女性は座ったとたんに15センチ四方程度の鏡(飛行機の中では結構大きく感じる)を取り出し、化粧を始めたのである。最初は特段、気にしなかった。きっと急いで空港に来たからだろう。しかし、女性は飛行機が飛び立っても、食事が出ても、決して化粧をいっこうに止める気配がない。まだ男性の方も、女性の使った化粧用の汚れた紙?を受け取ったり、サンドイッチを食べさせたりする。もうこうなると、私の行為は「覗き」のように見えるかもしれないが、すぐ隣である。見たくなくたって私自身も食事をしているわけで、見えてしまうのだ。
 男性が話しかけても、女性は化粧をしながら、相槌をうつだけである。中国語だから何をいっているかまったくわからないことが、「これ幸い」であったのだが、それでも男性は楽しそうである。女性は、「まもなく到着」のアナウンスの最中も化粧を続けて、なんと離陸する瞬間も眉毛をかいていたのであった。
 それにしても私はかなり飛行機に乗っているが、こんな経験は始めてである。せっかくの旅なんだろうから、飛行機の中で楽しく話しでもしたらいいのにと思ってしまう。これこそが余計なお世話なんだろうが、私にはこの二人の奇妙な風景がどうしても理解ができなかった。「どうしてなんだろう?」と思い続けているうちに、眠ることなく那覇空港に着陸してしまったのである。