Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

サポーター席で

2011年06月24日 | バリ
 今、バリでは芸術祭が開催されている。今月の10日から始まり、来月の初旬まで毎日、数多くの芸能がデンパサール市内のアートセンターで行われている。昨日の野外劇場で行われるメインイベントは女性によりゴング・クビャルの演奏で、バドゥン県とタバナン県の二つのグループによる対決だった。そしてなんと、タバナン県の代表は私が長いこと住んで勉強していたトゥンジュク村のグループだった。
 グループとはいえ、この芸術祭のために半年くらい前から練習してきた即席のグループであり、相手は歴史のある女性のグループなのだから勝ち目は全くないのである。どうしてよりによってこんな相手と演奏しなくちゃならないのか、とも思うのだが、村人たちは全く気にしていない様子である。
 朝からホテルに「サポーター席に座れ」というお達しの電話がかかってくる。正直なところ、サポーターの座るところは、ステージ全部が見渡せる場所ではないため、あまり嬉しくないのであるが仕方が無い。フィールドワーカーはずっと調査地と縁が切れないものなのだ。
 夜8時開始なのに6時半には到着し、村の人たちとの挨拶大会を終え、やっと8時。もちろん演奏はいまいちであったのだが、とにかく演奏途中で拍手をしまくったせいか、手が痛くて仕方が無い。サポーターなんだから、負けるとわかっている試合でも応援しなくちゃいけないという心境だった。ガムランはやっぱり演奏する方にとっても、観る方にとっても体育会系である。