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もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

中華系インドネシア料理のお店(1)

2017年08月30日 | バリ

 バリでよく食べるのはナシ・チャンプルとよばれるご飯の上におかずがのった料理で、昨日のブログに書いたバビ・グリンもナシ・チャンプルの一つといっていい。ご飯の上に豚のさまざまな料理がのっているわけだから。しかし、この料理はどうしても肉が中心になり、野菜の量や種類は決して多くない。こればかり食べ続けると野菜が不足してしまうのである。
 だからといって日本のようにコンビニで生野菜が売られているわけではない。そこで重宝するのが中華系インドネシア料理のお店である。中華系インドネシア人というのは、多くは福建省からの移民としてインドネシアに戦後にやってきた人々のこと。彼らは今や中国語はほとんどしゃべれないが道教、儒教などを信仰していて、インドネシアにおいて中国文化を継承している。そこに中華料理もあるのである。しかし純粋な中華料理(そういうものがあるかどうかは不明だが)ではなく、ある程度、インドネシア化したもので、今では中華系ばかりではなく、バリの人々もこうしたお店を開いている。
 中でも美味しくてよく通うお店はいくつかあるのだが、そのうちの一つがこの写真のお店。その道の通ならばすぐにわかるはずである。このお店、アートセンターの前の中華系インドネシア料理屋で経営はバリ人、料理人もバリ人である。とにかく店構えも食堂そのものも「汚い」のだが、「旨い」。もしかすると「汚さ」と「旨さ」は時に正比例するんじゃないかと思うほどである。「キタナシュラン」に登場すれば五つ星間違いなしといったところか。留学時代から数えれば数百回は通っているだろうが、汚さも味も何ひとつ変わらないのがいい。30数年たってはじめてお店の中からアートセンターの方を撮影してみた。こんな光景を見ながら、野菜たっぷりの炒め物とご飯をよく食べているのである。