トリからキノコ 自然見て歩き

足の向くまま気の向くまま トリからキノコまで
自然の中が心地よい

ノスリ

2019-04-15 | 野鳥


下面が白っぽい個体のノスリが悠々と飛んでいた
野原の上を滑空するので「野擦り」と江戸時代から呼ばれるようになった
奈良時代からの「のせ」という語の変化と考えられている
ネズミが好物で鷹狩りには使えない軽侮の意味で、「くそとび」「まぐそたか」などと呼ばれた

留鳥 主に本州中部以北の低山の林でで繁殖し、四国 九州中部以南では冬鳥
冬には平地の農耕地や河原などで見られる
採食はネズミを主に、両生類や爬虫類 鳥類 昆虫類なども捕る
非繁殖期には農耕地などの開けた採食場に出て採食場きて、ネズミの活動時間に合わせて行動する

雌雄ほぼ同色 羽色や模様に個体変異がある
黒褐色の喉 飛翔中の先端が黒い風切りと黒い翼角
大きさは55cm

ヤマガラ

2019-04-14 | 野鳥


近くの公園のヤマガラ あまり人を恐れない 手の上に小さな石を乗せて差し出したら乗ってきた 乗るや否やエサでないと見破ったようで一瞬で飛び去った。人に慣れやすく賢い性質を利用した「おみくじ引き」の芸当ももはや昔語り。
保護上の理由からもこうした文化は絶えつつある
ヤマガラは山地を好むカラ類の意味

留鳥
平地から山地の林に居る 主に常緑広葉樹林にすむ
木の枝から枝へ飛び移りながら、枯れ枝などを突いて昆虫類を捕ったり、木の実などを採食する
秋から冬にかけては木の実を土中や樹皮の隙間に隠して、越冬中の食べ物として貯蔵する習性がある
隠した位置は、場所を覚えていると言うよりは、近くにある何らかの目印を記憶しているらしい事が実験から分かっている

雌雄同色 背と腹の茶褐色 黒色とパフ色の頭部 暗青灰色の肩羽と翼、と色彩が特徴的
大きさは14cm スズメ大

この内も猶うらやまし山がらの みのほどかくすゆふがほのやど(寂蓮)

オバシギ

2019-04-13 | 野鳥


オバシギ(尾羽鴫・姥鴫)の語源は尾羽が目立つ鴫 と言う説が有力だが 実際は特に尾が目立つと言うことは無い
採餌などで動作がおっとりしていて何となく年老いた風情があるので姥鴫の字を当てたと言う方がしっくりしている

旅鳥 春の時期は4月半ばから6月半ばころまで見られる
海岸や河口の干潟に居る 水田などにも居るが少ない
岩場や砂浜では貝類を多く捕り 干潟や河口ではゴカイ類や甲殻類 貝類 水田に居るものはタニシなども捕る
水辺を歩きながら嘴を泥の中に差し込んで採餌する

雌雄同色 夏羽では赤褐色で先端が黒く、白い羽縁のある肩羽 密な黒色斑のある胸
大きさ27cm

ホウロクシギ

2019-04-12 | 野鳥


そろそろシギやチドリが渡って来る頃 
ホウロクシギ(焙烙鴫)が水辺を悠々と闊歩していた
焙烙は素焼きの浅い土鍋の事で、この鳥の腹の色を例えた命名
日本版レッドリスト絶滅危惧Ⅱ類

旅鳥 関東地方以南で稀に越冬することがある
主に海岸の干潟に居るが、河口 水田に居ることもある
潮が引くと採食を始め、カニが好物だが他の甲殻類やゴカイ類などもとる

雌雄同色 頸からの体下面には褐色の縦斑が有る よく似ているダイシャクシギは下面が白い
大きさは63cmでシギでは最大級

ツバメ

2019-04-11 | 野鳥


サクラの開花と共に春の到来のシンボル ツバメがやって来た
古名は「つばくらめ」で、ツバは鳴き声 クラは小鳥の総称を示す方言 メは群れを示す接尾語と言われ 略されてツバメになったと言われる 又ツチバミ(土食み)からの変化と言う説もある

夏鳥として種子島以北にやって来る
市街地や農村から山地の開けた場所に居る
営巣場所は 人家やお店の軒先 駅舎 ガレージなど人の出入りの多い所
ツバメの恐ろしい天敵は人でありカラスであろう 人によって巣が壊されたり卵やヒナが落とされることもあるが
ヒトの場合はそれ以上にツバメを大切にする方がはるかに多い
人類文化の活用型動物とでもいうのか ドアーセンサーを覚えてドアーを開けて屋内で子育てをする燕もいると聞く

枯れ草と土でお椀型の巣を作る
4~5個の卵を産み育てるが 何羽かは父親の違うヒナがいる
雌雄同色 大きさは17cm

クロコブタケ

2019-04-10 | キノコ


春から秋にかけて、広葉樹の枯れ木や倒木上に良く見る これでもキノコ
小型(1cm足らず)で半球型または瘤型 色は黒褐色で表面に粒状の凹凸がある
肉は堅い木質

切ってみると濃淡の同心円状の環紋がある
面白いのは一番外側に子のう殻(大雑把な言い方で胞子を作る場所)が並んでいる
良く見れば小さな茶碗が綺麗に並んでいると見えなくもない
チャワンタケ類(子のう菌門)の仲間だと納得


クロゲシジミタケ

2019-04-09 | キノコ


シジミを思わせる小さな可愛いキノコが居た
小さいなりに裏側のヒダはきちんと出来ていて綺麗だ

春から秋にかけて広葉樹の古幹に発生する
小型のキノコで大きさは1㎝に満たない

傘は貝殻型~扇形 柄は無く背面で木に付く
表面は灰色でしわ状の溝線がある
裏面のヒダは灰色で深く綺麗に並んでいる

ネンドタケ

2019-04-08 | キノコ


コナラやシラカシなど広葉樹の倒木や切り株上に群がって発生するキノコ
通年発生するのであちこちでよく見かける

子実体は半背着型で中型のキノコ
傘は半円形 扁平~楔形
色は淡褐色から黄褐色~錆褐色~暗褐色になり様々で表面は細粒状突起でざらつき、凹凸がある
子実層托(子実層のある場所)の管孔は短く孔口は円形で極めて小さい
白色腐朽菌(材を白くする腐生菌)

木材の成分はセルロース ヘミセルロース リグニンで、分解しにくい物質ではあるが、キノコなどの微生物だけが分解できる。また木材は抗菌物質を含むこともあり、キノコの種類によって分解できる物質や腐らせ方に違いがあり、これがキノコの遷移、腐朽型の違いとなる 白色腐朽菌は材中のリグニンとセルロースを分解し、分解された材は白くなる



トガリアミガサタケ

2019-04-07 | キノコ


春に腐食の多い所に出てくるキノコで、特にイチョウの葉が厚く積もった地に多い
子実体(キノコの事)は10cm程で、傘は長楕円形で表面に網目がある変わった形のキノコ
畦は縦方向に多く、色は畦 窪み共にオリーブ褐色から黒褐色になる

傘が子のう盤(子実層のある場所)で、窪みの内側に子実層(胞子を作る場所)がある
柄は下方に太まり中空 肉には弾力がある

生食すると中毒するので調理して利用する
煮込み ソテー 佃煮 炊き込みご飯など美味しい
フランスではモリーユ・コニックと言って良く利用されている

ボクハンツバキ

2019-04-06 | 樹木 草花


雄しべの先が花弁化している変わったツバキがあった
「ボクハン(卜伴)」と言う名前で江戸時代に作った人の名前から付けられた ヤブツバキの園芸種

花芯の雄しべ全体 又は先端の葯が小さな花弁に変化するツバキを」「唐子咲」と言う
中国の子供の髪形に似ているので唐子咲
色々種類はあるようで、出会ったボクハンは 雄しべの先端が小さく花弁化しており 濃紅色の花弁が白い花芯を抱えるように咲き、関西では「月光(がっこう)」と呼ぶ

又 「紅唐子」は、朱紅色の花弁が同色の花芯を包むように咲くもので 別名「日光(じっこう)」という
更に「事始め」は白色の花弁が同色の花芯を付けるもので、御事始(12/13)頃咲くので名が付けられた

ノシラン

2019-04-05 | 樹木 草花


今日は24節気の清明 清浄明潔の略で「万事ここに到りて皆潔斎にして清明なり」の意味

まだノシランの素敵な色の実が残っていた
葉の形を熨斗に見立て、さらにランの葉にも似ているのでノシランと言う

ユリ科の海岸近くの林に生える多年草
葉は70cm程の線形で厚く光沢がある
花茎は40cm程で扁平で2稜ある
上部に総状花序を出し、7~9月に多数の白色又は淡紫色の花を付ける

冬に透き通るような碧色の倒卵形をした果実状の種子を付ける
苦くはないが味はしなかった

オオシマザクラ

2019-04-04 | 樹木 草花


いよいよサクラも真っ盛り
色々なオオシマザクラに出会えたのでご覧ください
左からオオシマザクラ 薄毛大島桜 八重大島桜 香り大島桜(良い香りが強い個体だったので勝手な命名です)

オオシマザクラは関東南部 伊豆 房総に原生分布していて、伊豆大島に多いことから名付けられた
伊豆諸島以外のものは、かって薪炭用に栽培されていたものが野生化したと言う説もある(タキギザクラの別名もある)

落葉高木 10m程になるが大きいものは20mにもなる
花は3月下旬から4月上旬 緑色の葉とほぼ同時に開花する
前年枝の葉腋に白色の花が散形状又は散房状に3~4個付く
雄しべは30個ほどで多数あり、雌しべは1個
花弁は5個で先端は切れ込む サクラの中では花は大きい方で見ごたえがある

果実は核果で1cmほどの球形 5~6月に黒紫色に熟す
味は美味しいものと渋みの有るものがあり、個体差がある
葉を塩漬けにするとクマリンと言う芳香物質が作られるので桜餅に利用されている
塩漬けの葉は7割が伊豆半島の松崎町で作られている

ザゼンソウ

2019-04-03 | 樹木 草花


花序の様子を座禅僧に見立ててザゼンソウと言う
別名ダルマソウ

サトイモ科の水湿地に生える多年草
花は3~5月 葉に先立って開き 仏炎苞は卵円形で、楕円状の花序を包む
花茎は15cm程で、仏炎苞は暗紫色 時に緑色(アオザゼンソウという)
花は両性で、花被の上部はは亀甲状に重なっている

花の後 葉は成長して40cmもの大きさになる
果序は球形で果実は液果

ラショウモンカズラ

2019-04-02 | 樹木 草花


名前のせいもあるが花の開くのが楽しみな植物だ
ラショウモンカズラの名前は、花を羅生門の筋骨隆々な鬼の腕に例えたもの

シソ科で 山地のやや明るい林内に生える多年草
花茎は直立して30cmほどになる
花後は長い走出枝が伸びる

花は4~5月 紫色で長さ5cm、下唇の中央裂片は大きく下方に反り返り、濃紫色の斑点がある
萼は筒状で15脈あり、開出毛が生える

ジョウビタキ♂と♀

2019-04-01 | 野鳥


今日は「令和」と新元号の発表があり、日本中フィーバーしている

ジョウ(尉)は翁の意味で、オスの頭が銀髪のようだから
ヒタキ(火焼き)はヒッヒッと言う鳴き声を火打石の音に見立てた
上等のヒタキと言う解釈もある
翼の白斑が着物の紋付のように見えるので、「もんつきどり」の異名もある

冬鳥 冬の最初にやって来て、早く会いたいと毎年会うのが楽しみな鳥
4月になってそろそろ渡りの準備
平地から山地の疎林 草地 川原 農耕地 公園などに居る
雌雄共に縄張りを持ち、春が来るまでお互いに相いれない
主に昆虫類やクモ類を採食し、様々な草木の実も食べる
渡来直後には盛んにヒッヒッと鳴き、縄張り宣言をする
囀りは日本ではほとんど聞かれない

オスは灰白色の頭上と黒い顔 下面は橙色
メスは全体に灰褐色で腰と尾羽の両側が橙色 雌雄共に翼に白斑がある
大きさは14cm