いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

県民所得データ。 inhabitants of prefecture income data

2011-04-27 19:50:05 | 日記
 (1)今更3年前(08年度)の県民所得(inhabitants of prefecture income)を発表されても、どう見たらいいのか、内閣府が一人当たり県民所得データを発表した。
 08年度と言うと9月に米国サブプライムローン破たんに端を発したリーマンショックが世界同時不況を引き起こして、100年に一度と言われる世界的金融危機が輸出産業が基幹の日本経済を直撃したデフレ円高不況の始まりだった。
 当然のように全国すべて県民所得が減少して(統計以来初めてのこと-内閣府)平均6%の減少となった。県民所得の全国平均が291万円だから15万円相当の減額となる。

 政治、経済活動の中枢が機能する東京(415万円-前年比9.5%減)、広範な自動車関連産業、製造業、地場産業が堅調な愛知(323万円-同10.8%減)、静岡(321万円)、神奈川(319万円)、大阪(300万円)と続き、12番目の栃木(291万円)が全国平均水準所得で、47都道府県のうち上位30%弱の高いレベルが所得平均値内という地方自治体、地域経済の全国一律的な経営基盤の地盤沈下、弱体化が見える。世界同時不況の直撃を受けて、地域間格差がイコール(equal)化されてきた。

 (2)神奈川、大阪の300万円そこそこレベルは、日本経済力をもう1ランク、2ランク、ステップアップさせるための改革課題と言える。
 かっては商業都市の大阪は、たとえばアクセスの悪い関空、伊丹のふたつの空港を有しているように経済効率に不合理性が目立ち、経済、商業、文化を含めたタウン構想にも展望、計画、統一性が見られない「雑然」とした不調和観のある都市構造だ。

 交通アクセスでも、東京、名古屋に比較して駅、その周辺の「雑然」さが目立ち、いかにも「使い勝手」の悪いブレーキ型都市構造機能という印象だ。東京に距離を置き、唯我の独自色の強い庶民生活が特徴の大阪人気質とも言えるが、それはそれとして次世代社会に向けてすぐれた経済、文化の「エネルギー」を機能化、純粋化、効率化できれば県(府)民所得もこのレベルではないはずだ。

 (3)九州、四国、東北、北海道は総じて連続して下位レベルに連なっている。首都圏からのアクセスの不利に加えて、「観光」以外に強力な産業経済力の展望のない結果だ。もちろん、その遠因としての「過疎化」も重要な課題だ。

 九州は今年3月に新幹線が全線開通して、州内1~2時間で結ばれて経済活動、動向にも活性化、変化を期待したい。経済が好調なアジアアクセスにも近く、今後の独自の九州経済圏の確立が期待できる。

 (4)日本経済は、東北、九州への工場進出のあとデフレ、円高対策として生産拠点の海外化にシフトして国内雇用不安が深刻化している。
 さらに今は、東日本大震災による東北太平洋一帯の経済活動壊滅からの復興という課題を持つ。
 この「ゼロ」からの全国力を結集した、スタートを活かした思想、理念、価値、生き方のグランドデザイン化の「変化」にこそ期待すべきものがある。

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