いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

風評被害。 rumor damage

2011-04-12 19:35:39 | 日記
 (1)大震災につきものの(本来絶対にあってはならないもの)「流言飛語(根拠のないうわさ、デマ)」と「風評 rumor(根拠のあるうわさ)」は違う。「根拠」が「ある」か「ない」かだ。
 その国の置かれた社会通念、パラダイム(paradigm)から見てまずは起こり得ない「根拠」のない話は無視していいが、「風評」には一定の「根拠」がともなうもので、それを受け取る側の人の自己保身至上主義的な自由な気持ちをコントロールすることなど不可能で、それはそれで「根拠」のあることなのだ。
 大震災により勝手に被害者にさせられた地元の生産者、栽培者の気持ち、無念さはよくわかる。生産物、栽培品の「風評被害(rumor damage)」と言われるものだ。

 (2)大震災、特に東日本大震災のように原発事故での放射性物質の大気中、海水、土壌への漏えい拡散がともなう場合の政府の危機危険データ開示の方法によって、当該地域の生産物、栽培品が出荷停止になってその「周辺地域」のいまだに安全と見られている同類品も、結果として同様の「評価」をマーケット、消費者から一様に受ける。

 マーケットからは荷受けを拒否されて店頭から排除されて、消費者もあえて安全上拒否反応を示す。「風評被害」だ。
 政府が今震災の各種データ開示でよく使ってきた「直ちに人体、健康に影響を及ぼす範囲内ではない」が、ますます受け入れる側の「思考」を混乱、増長させる。
 指摘してきたように原発被害の場合は、その「累積性」の影響力が問題でそこが知り得たい本当のデータ開示だからだ。

 (3)周辺地域のいまだ安全だと言われる生産者、栽培者は、政府に「風評被害」の責任と打ち消し、解消、解決を切望する。
 ここは誤解を恐れずに言うなら、再び根拠のない「流言飛語」と根拠のある「風評」とは違うと言うことだ。
 大気中、海水、土壌に漏えい拡散している放射性物質の漏えい拡散影響範囲など、一般社会の通念理解では、周辺地域の「線引き」など不可能だ。
 まして被害対象は、半永久的に人体、健康に影響を及ぼしかねない蓄積危険物質(accumulative risk material)だ。
 マーケット、消費者が周辺地域も含めて生産物、栽培品に危機危険を憶えて拒否するのもいたしかたないことだ。

 (4)勝手に被害者にさせられた地元の生産者、栽培者には大変申し訳ないが、ここは政府の責任追求以上に、生産環境、安全性、良質性を保障できる「自ら」の「生産データ」開示と、「自ら」の積極的なマーケット、消費者への「アピール活動」が風評被害対策には先決だ。
 もちろん、政府、東電が責任を持って「風評」の起点となる「根拠」を除去することが重要なのは言うまでもない。

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