いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

自衛隊の人材確保は。 what a maintainable talent of the self defense forces

2014-07-12 20:10:30 | 日記
 (1)集団的自衛権(collective self defense)の行使容認を与党協議だけで閣議決定して、今後関連法整備をして実行に移す安倍政権だ。
 国の主権、安全、防衛に関わる重要政策を国民はじめ多方面の利益代表者の論議もなしに一方的な内閣、政府の理念、観念だけで国の重要政策、方針変更を決定して実行に移すなどとは、とても民主主義、立憲主義国家のやり方ではない。

 国会審議は衆参各1日と与党強行で押し切り、そのうち選挙で国民に信を問うと平然とする安倍内閣は本末転倒の「あべこべ」内閣である。

 (2)集団的自衛権の行使容認決定の過程の経過、経緯のでたらめ具合は書いてきたが、今回問題とするのは集団的自衛権の行使に直接あたる自衛隊(self defense forces)の組織、編成、人事、職制がどう変質(change of quality)し、変わるのかだ。

 当然のように自衛隊幹部候補生を養成する防衛大の存在についても変化、見直しがあるのか注目する必要がある。これまで防衛大では卒業予定者のかなりの人数がそのまま自衛隊に進まずに、在学中に取得した技能資格を利用して民間企業に有利に就職することが話題になっていた。

 (3)自衛隊が集団的自衛権の行使という職責、役割拡大にあたり「人材確保(maintainable talent)」は、これまで以上に急務、必要となってくる。
 これまでも自衛隊に一定期間在籍して各種技能資格取得後に民間企業に有利に転職することは、一般的な人事方針として知られていた。

 しかし、紛争地域への海外派遣も含めて集団的自衛権の行使という職責、役割拡大によって、この慣例では果たして自衛隊が機能する人材が十分確保できるのか見直し、変質が必要になってくる。

 (4)このたび防衛省は「建設業界の人手不足に対応するため、退職した自衛官らの建設会社への再就職を解除」(報道)することとした。
 これまで自衛隊と建設業界の官製癒着、談合が社会問題となって、自衛隊員の建設企業への再就職を自粛、規制していた。

 建設業界としては重機免許など自衛隊員の技能有資格者は即戦力として人事効果があり、今回建設業界の人手不足のために防衛省が解禁したものだ。

 (5)しかし自衛隊はこれから集団的自衛権の行使、役割を担ってさらに継続的、持続的な防衛能力に精通した人材確保が必要であり変質を迫られることから、それに逆行する再就職先の拡大方針は政策上の一貫性、整合性を欠くものだ。

 防衛大卒業予定者の幹部自衛官への就職人事を含めて、自衛隊の人材確保に向けた人事見直し、変質が必要となる。平和憲法を擁して日米安保、軍事同盟で国を守る日本の現状では、自衛隊入隊の志望も多くはなく隊員募集には苦労がいる。
 パラドックス(paradox)として集団的自衛権の行使による任務、危険拡大が隊員志望の減少につながる可能性もある。

 (6)安倍政権は集団的自衛権の行使容認の「表看板」をさかんに論議し掲げてはいるが、それを推進、持続する自衛隊員の人材確保は見通しがあるのか、現状からは不安はある。

 かえって自衛隊の有能な人材が十分確保できずに集団的自衛権の行使が機能しないという政府のジレンマ(dilemma)、思わぬ違憲行為強行に対する逆効果もあるかもしれないのだ。
 まして安倍首相が目指す自衛隊の国防軍化となれば、果たして今の日本で国防のために汗を流す有能な人材が十分確保できるのか、ますます政府の不安、ジレンマ側面を生むだろう。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする