いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

メンツ対立。 opposition for save own face

2014-07-24 19:49:11 | 日記
 (1)政治とくに外交というのは非常にメンツ(save own face)にこだわる性質を持つ。相手の中身の変化、変更は簡単ではないからそれは置いといても、とにかくメンツにこだわる。
 中国や韓国は旧日本軍によるアジア植民地支配による日本の占領政策責任を現首相の安倍首相に求めて、当時の戦争主導責任者(A級戦犯)が祀(まつ)られている靖国神社参拝に強く反発し抗議している。

 昨年秋の安倍首相の靖国参拝を受けて日中韓3国関係が首脳就任以来いまだに首脳会談も行えない極度の外交対立、不信に陥(おちい)っている。

 (2)現在舛添都知事がソウル市長との会談のため訪韓中で、朴クネ大統領との会談を調整中といわれて、11月には中国で開催されるAPECで安倍首相が日中首脳会談の実現を強く目指しており、日中外務省幹部が話し合い(接触)を続けているニュースも聞かれる。

 この接触の中で中国外務省は安倍首相が再び靖国参拝をしないようくぎを刺した(報道)といわれる。
 中国が日中首脳会談を開催する条件として尖閣諸島領有権問題の「棚上げ」に固執していると安倍首相が自ら認めている。

 (3)中国とすれば安倍首相がどういう政治家で考え、理念、信念、信条を変えなくても、靖国参拝をしないことを認めればそれでいいのか、非常に型(服従)こだわったメンツ外交でしか見えない。

 領有権問題は別にしても、靖国参拝をしないことを表明することについては「心」の表明の問題であり、それで仮に日中首脳会談が開催されるのであればメンツにこだわる必要もない「心」の問題であり、時、所を変えても追悼は可能だ。

 (4)過去歴史の問題ではあっても日本(旧日本軍)によるアジア植民地支配により原住民に被害を及ぼしたことは間違いない(河野談話維持)のだから、その後の関係改善のためには日本が「心」の問題として譲歩することはあって当然のことではないのか。

 訪韓中の舛添都知事が明日、朴クネ大統領と会談する(報道)ことが固まった。韓国大統領府の発表では日韓関係改善に向けての配慮、対応ということのようだ。
 振り上げた拳の落とし所がなかなか見つからずに、韓国大統領が都知事と会うという異例な自体が日韓関係を何とか打開したいとの思いのあらわれでもある。

 (5)靖国参拝にこだわる安倍首相でなければ会うというメンツ外交だ。仮に明日の舛添都知事と朴クネ大統領の会談が実現しても朴大統領は原理原則論を崩さずに、結局は日韓関係改善は安倍首相の「態度・メンツ」にかかわることに変わりはないだろう。

 あとは「ボールは投げられた(thrown ball)」のだから安倍首相の「本気度」が試されるというものだ。
 
 (6)こちらの話し合いのドアはいつも開いているという安倍首相の外交辞令ではなく、「心」の問題としてメンツを捨ててでも日韓首脳との話し合い関係改善に向かうのか、今年後半にかけての安倍首相の「心」の問題として政治環境を整える機運はうかがえる。

 中国、韓国ともに連携を深めて日本の領有権問題、歴史認識問題で原理原則論の主張をくり返して日本を強くけん制している。
 漏れ聞くところでは、領有権問題での棚上げ(日本の領有権、実効支配の後退)と歴史認識問題での責任謝罪という日本にとっては、ともに受け入れがたい首脳会談開催条件のようだ。

 (7)首脳同士の話し合いはとにかく必要だといっても、その先ただ話し合ったからといって懸案課題、問題の解決に向かう保障はなく、日本だけが譲歩、不利益というわけにはいかない事前交渉もある。

 日中韓3国首脳のメンツをどうとりつくろい、あるいは放棄させるのか、投げられたボールの思案は続く。

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