(1)近代国家以前の日本では、寺院が地域の宗教、政治、教育、文化の発信源だった。学習塾を示す寺子屋という言葉も残る。
織田信長が天下をおさめた安土桃山時代には、比叡山が軍事力を含めて絶大な宗教、地方政治権力を誇り、どちらがどうでそうなったのかの歴史的、戦略的な経緯はさて置いて、比叡山が織田信長勢と対立して戦争状態に入り、焼き討ちに合って敗れた。
寺院が政治権力も握っていた時代だ。その教訓ばかりでもないだろうが、近代国家日本では政教分離が基本原理となっている。
(2)中東ではイランなどはイスラム原理主義国でイスラム教高位聖職者が最高指導者として大統領の上に位置して、政治を完全支配する宗教国家構造、体制だ。
国の形態は多様で思想、信条、宗教、文化、伝統などを基本理念にして国家統治をして、他国からの一切の干渉、関与を受け付けない独立性を持つ。
イスラム教では、宗教国家として宗教が政治を完全支配して国家体制を構築している。社会規律、規範(paradigm)はイスラム法に基づき完全男性優位社会で女性は外出時には全身黒い布(チャードル)で覆うことが義務化されている。
(3)極めて厳格なイスラムの教えに従った社会だが、唯一絶対の宗教国家社会では他宗教の存在を認めることはしないから極めて排他的国家主義である。
キリスト教を発祥とする欧米各国とは相容れない対立、戦争をくり返す歴史だ。ここに石油天然資源の利権争いが加わって、さらに軍事的圧力としての核兵器保有問題が交錯して、イスラム国と欧米とりわけ米国覇権主義との長年の対立、勢力争いが途絶えることがない。
(4)この間隙(かんげき)をぬって「イスラム過激派」(the Islam radicals)組織という国際テロ集団が暗躍して中東、中央アジア地域を中心に反政府、反米テロ活動を展開している。
サウジアラビアのイスラム法学者らがイスラム過激派組織「イスラム国」の台頭を念頭に、「テロは凶悪犯罪」でイスラム法(シャリア)に基づき罰せられるとする宗教見解(ファトワ)(報道)を出した。
(5)イスラム過激派組織の非人道的凶悪テロ行為に対しては、イスラム教の良識派からはこれはイスラム教とは相容れない組織の犯行でイスラム教でも犯罪として罰せられるものとの見解(趣旨報道)を聞くこともある。
サウジアラビアといえば米国寄りの国家体制であり、これが米国と対立するイスラム原理主義国家となればまた見方も違ってくるのだろう。
イスラム過激派組織「イスラム国」もイスラム原理主義国家の樹立を目指しており(声明報道)、仮に現在進出しているイラクの一部でも完全支配して国家宣言でもすれば国際テロ組織ではなくイスラム原理主義国家(他国が承認するかは別にして)と自認することにもなる。
(6)どうにもよくわからないのが、報道でも使われる「イスラム過激派」という組織の呼び方だ。イスラム教の教え、良識派からすれば、どうにも迷惑な呼び方のようでもあり、しかしイスラム国家がこれに拒否反応を示すわけでもなく公然と国家、宗教の利的行為として利用するかのように見過ごしてもいる。
そもそも戦争を否定する立場の宗教が前面に出ての今日の宗教戦争だ。古今東西を問わずに宗教の悩みと無力感がある。
織田信長が天下をおさめた安土桃山時代には、比叡山が軍事力を含めて絶大な宗教、地方政治権力を誇り、どちらがどうでそうなったのかの歴史的、戦略的な経緯はさて置いて、比叡山が織田信長勢と対立して戦争状態に入り、焼き討ちに合って敗れた。
寺院が政治権力も握っていた時代だ。その教訓ばかりでもないだろうが、近代国家日本では政教分離が基本原理となっている。
(2)中東ではイランなどはイスラム原理主義国でイスラム教高位聖職者が最高指導者として大統領の上に位置して、政治を完全支配する宗教国家構造、体制だ。
国の形態は多様で思想、信条、宗教、文化、伝統などを基本理念にして国家統治をして、他国からの一切の干渉、関与を受け付けない独立性を持つ。
イスラム教では、宗教国家として宗教が政治を完全支配して国家体制を構築している。社会規律、規範(paradigm)はイスラム法に基づき完全男性優位社会で女性は外出時には全身黒い布(チャードル)で覆うことが義務化されている。
(3)極めて厳格なイスラムの教えに従った社会だが、唯一絶対の宗教国家社会では他宗教の存在を認めることはしないから極めて排他的国家主義である。
キリスト教を発祥とする欧米各国とは相容れない対立、戦争をくり返す歴史だ。ここに石油天然資源の利権争いが加わって、さらに軍事的圧力としての核兵器保有問題が交錯して、イスラム国と欧米とりわけ米国覇権主義との長年の対立、勢力争いが途絶えることがない。
(4)この間隙(かんげき)をぬって「イスラム過激派」(the Islam radicals)組織という国際テロ集団が暗躍して中東、中央アジア地域を中心に反政府、反米テロ活動を展開している。
サウジアラビアのイスラム法学者らがイスラム過激派組織「イスラム国」の台頭を念頭に、「テロは凶悪犯罪」でイスラム法(シャリア)に基づき罰せられるとする宗教見解(ファトワ)(報道)を出した。
(5)イスラム過激派組織の非人道的凶悪テロ行為に対しては、イスラム教の良識派からはこれはイスラム教とは相容れない組織の犯行でイスラム教でも犯罪として罰せられるものとの見解(趣旨報道)を聞くこともある。
サウジアラビアといえば米国寄りの国家体制であり、これが米国と対立するイスラム原理主義国家となればまた見方も違ってくるのだろう。
イスラム過激派組織「イスラム国」もイスラム原理主義国家の樹立を目指しており(声明報道)、仮に現在進出しているイラクの一部でも完全支配して国家宣言でもすれば国際テロ組織ではなくイスラム原理主義国家(他国が承認するかは別にして)と自認することにもなる。
(6)どうにもよくわからないのが、報道でも使われる「イスラム過激派」という組織の呼び方だ。イスラム教の教え、良識派からすれば、どうにも迷惑な呼び方のようでもあり、しかしイスラム国家がこれに拒否反応を示すわけでもなく公然と国家、宗教の利的行為として利用するかのように見過ごしてもいる。
そもそも戦争を否定する立場の宗教が前面に出ての今日の宗教戦争だ。古今東西を問わずに宗教の悩みと無力感がある。