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いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

独立に反対55%と棄権15%。 opposition55% & abandonment15% to independence

2014-09-22 19:38:00 | 日記
 (1)世界的な注目を集めた英国からのスコットランド独立の是非を問う住民投票(inhabitant's vote)は反対55%で独立(independence)を否決した。
 最後は40万票差(10%の開き)がついて投票前に予想された接戦とはならなかった。

 開票前半の地方では賛成支持派が上回り、開票終盤の都市部で反対支持派が上回った投票構図(報道)だった。都市部で財政、金融、経済混乱回避の既得権益保護意識が働いたのではないのか。

 (2)スコットランドはもともと独立国でその後英国に併合された遠い歴史があり、地理的に遠い日本からすれば北欧国のイメージもあり、政治理念も英国はEUから距離を置いて米国盟友の立場を鮮明にして、その中でもスコットランド(自治政府)はEU、北欧諸国の社会民主主義志向が強いといわれている。

 政治理念の違いのうえに財政、金融、経済が英国ロンドン市場に集中する地方(自治政府)の不満が、英国からの独立志向が高まった要因といわれている。

 (3)議会制民主主義発祥の英国での独立を問う住民投票という住民自治統治の原点での未来選択に向けた16才以上の投票権範囲拡大ということで、民主主義の国の手本の構図として注目を集めた。

 さらに英国内がスコットランド分離独立となれば、国土の3分の1を失って英国の財政、金融への国際的地位、信頼、立場の低下は必至で、国際政治、経済の枠組みに大きな変化、混乱、不安をもたらす危険が存在していた。
 今回のスコットランドの独立を問う住民投票に関心、注目が高まっていた理由だ。

 (4)2年前に英国中央政府(ロンドン)とスコットランド自治政府との間で独立住民投票が合意されて、今回の16才以上のスコットランドに居住する外国人も含めた全有権者による住民投票となったことは、議会制民主主義発祥という国の平等で公平、公正、良識ある理念、思想、信条が読み取れる「度量」のあるものであった。

 投票が近づくに従って独立賛成派の支持が高まりをみせると、さすがにキャメロン首相をはじめ中央政府が危機感を募(つの)らせてバタバタとスコットランド入りして英国内にとどまるように歩み寄り、説得をくり返す様はどこも同じで、これまでの民主主義の手本としての度量どころではなかったようだ。

 (5)王室のある君主制国家でビートルズを生んで、庭園、紅茶文化の議会制民主主義英国は日本政治、文化の先訓、原点であり、日本文化とも共通項の多い手本、親近感のある国として、今回の住民投票は日本でも高い関心のひろがりをみせた。
 手本としての動向に注目、関心が集まった。

 (6)投票率は84.6%と過去の同国国政選挙の最高(報道)を示したが、国、自治政府の将来の行く末、独立を決める最重要課題の投票だけにもっと上を行くかと思われたが、15%の棄権行動となった。

 無関心層というより、事の重大性(英国からの独立)から判断が投票行動につながらなかったのではないのか(居住外国人有権者の中には重大過ぎてあえて棄権したとの報道もある)。

 (7)投票直近では接戦が伝えられて、いまだ判断を決めかねている層(当時は数パーセントといわれていた)の動向がキーポイントだといわれていた。
 独立問題で判断を決めかねているとは、これに反対というよりは(反対志向が強ければ多分に直接投票行動に出る確率が高い)どちらかといえば現状に不満(独立賛成派)ではあるがしかしあとの混乱と将来性を考えての判断に踏み込めなかった投票棄権行動であったと理解する。
 棄権15%のうち10%でも仮に動けばまた違った結果を導いたかもしれない。

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