いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
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業績評価、成果の賃金体系。 wages systems by the business appraisal & achievement

2014-09-27 19:50:31 | 日記
 (1)今年4月からの賃上げ効果は、民間給与が前年比1.4%上昇して3年ぶりの増加データとなった。一方で非正規雇用者は前年比0.1%減で正規雇用者との格差拡大(報道)となった。
 雇用形態で60%を占める非正規雇用者の賃金を抑えて正規雇用者の賃上げをはかった企業ポーズ戦略の実態だ。

 企業は収益優先事業体であるので損をしてまであれこれ貢献、寄与することなどしないのが本質だ。
 収益が上がったのだからそれを貢献した従事者に賃金として還元するのは当然だと言いながら、裏表、損益均衡をキチッととらえて企業ダメージ回避を考えている。

 (2)日立製作所が国内の管理職を対象に従来の年功序列の賃金体系(wages systems)を廃止して、ポストや業績評価(business appraisal)、成果(achievement)に応じた給料賃金体系に移行する。(趣旨報道)

 すでに外国企業では導入されて日本の富士通、日産自動車でも導入されており、ソニー、パナソニック、ユニクロなど世界市場展開する企業が次々と導入を決定している。
 経済のグローバル化、生産拠点の海外進出、外国人雇用方針に対応するものだ。

 (3)業績評価、成果中心の企業収益優先戦略を鮮明にしたもので、年令にかかわらずに従事者のヤル気、意欲、努力、開発、工夫能力を高く評価して企業成長促進をはかり、企業間競争を突破しようというものだ。

 賃金の本質は、与えられた職務、職責を履行し一定の業績成果を上げる「対価」として位置付けられるもので、職務履行の時間比率に見合ったものではない(残業廃止)と書いたが、賃金本質論にそった賃金体系の導入だ。

 (4)日立は管理職対象の同賃金体系の導入だが、ソニーのように全社員対象に導入(15年度ー報道)する企業もある。
 経済のグローバル化(外国企業の業績成果主義)、生産拠点の海外進出、外国人雇用などに適切、効果的に対応するための方式だが、世界的経済不況に見舞われた時代には日本の終身雇用、年功序列賃金体系制度を評価していた時期がある。

 年令による賃金上昇、終身雇用により将来生活設計が保障されて、安定して落着いて職務、職責に従事できる効果の利点を高く評価してのものだ。

 (5)企業としても理想的な従事者年令構成、雇用計画が立てやすく、長期的な資本、経費、資産把握、展望ができて利点はあった。
 しかし近年は国内の長引くデフレ不況に世界同時経済不況に見舞われて、業績不振による資本、経費、賃金負担増から雇用計画も見通せず、安定せずに企業戦略の見直しに迫られていた。

 (6)企業が収益優先事業体である以上、業績成果主義はやむを得ないところもあるが、成熟した社会は企業に経済効果と同じように社会的貢献、還元を求めており、外国文化と違って儒教思想に根差した日本社会では仕事と人格の切り離しは容易ではなく、正規と非正規格差問題を抱えて動向と評価が試される。

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