いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

開かれた国連。 open UN

2014-09-28 15:16:49 | 日記
 (1)安倍首相は先の国連総会に出席してアフリカ大陸のエボラ出血熱対策で43億円、中東紛争、テロによる難民対策に54億円の緊急支援(報道)を打ち出した。日本は米国に次いで国連通常予算の分担率が高く(報道)、さらに国際貢献と存在感を拠出金支援でアピールしたものだ。

 平和憲法のもとに国際紛争を解決する手段としての戦力を持たず、交戦権を放棄する日本は、国連の一部核保有軍事大国が特権(拒否権)を行使する安保理常任理事国メンバーでもなく、国連への拠出金、分担率の多さに見合った存在感は示せていない。
 同じようにドイツ、インド、ブラジルと安保理常任理事国入りを目指す日本は、常任・非常任理事国の枠組みを拡大する国連安保理改革(共同提案)を目指している。

 (2)国連は、一部核保有軍事大国の安保理常任理事国の思惑に振り回されて、世界の紛争の調停役として存在感を示せずに、無力感がつきまとっている。
 議論(discussion)の場ではなく、軍事力を背景とした世界勢力の政治的、軍事的かけひき、非難、アピールに使われて、実態は米国をはじめとする自由主義圏とロシア、中国の社会共産主義圏の利益対立構図のアピールの場でしかない。

 世界の紛争の調停、介入は国連ではなく、米国を中心とした欧州自由主義国が直接共同軍事行動で関与する構図だ。

 (3)国連通常予算の分担率の高い日本が国連内で発言権を確保して国連の動向に強い影響力を持つことは相応の権利でもある。
 G8メンバーの中から第2次世界大戦敗戦国のドイツ、日本が安保理常任理事国から除外されているのは、国連の偏向した組織構成による今では差別的な勢力分布を示すもので、予算拠出と発言、権利行使は別問題とする不都合で不条理(unreasonableness)な体制は国連の推進力を損なうものだ。

 (4)日本がドイツほかと国連改革を提案する意味、意義はある。唯一の戦争被爆国でG8メンバー国の日本が安保理常任理事国として迎えられ、世界平和、核軍縮、貧困、人権対策で国連安保理を「議論」の場として稼働して世界に「開かれた国連(open UN)」を発信する役割、使命を担う資格はあるし、すべきことだ。
 国連が一部核保有軍事大国の思惑に牛耳られて機能せずに、結果として平和、平等、共存の国連の役割、使命を果たしていないのは不幸なことだ。

 (5)安保理常任理事国の枠組み拡大による議論優先の開かれた国連改革実現の中で、建設的で有意義な国連の機能化を推進するために日本は先頭に立つべきだ。
 唯一の戦争被爆国で平和憲法を有し国連予算の分担率も高い日本には十分にその資格はあるからだ。

 (6)ただし、そのためには中国、韓国との外交摩擦、米国一辺倒の追随外交、軍事、集団的自衛権による軍事的圧力行使の解消など国内政治、外交、軍事の見直し、整理検証と国民的合意形成、支持が必要だ。

 日本は相互信頼のもとに世界から尊敬される存在になることを平和憲法(前文)でも述べている。国連改革を通して国連の中でも一定の存在感を示すことは日本の大きな政治目的である。

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