いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

新宇宙競争時代。 new era of cosmic rivalry

2019-01-05 19:56:07 | 日記
 (1)中国が打ち上げた無人月探査機が3日、世界で初めて月の裏側着陸に成功(報道)した画像を配信してきた。技術的には月の裏側とは交信できないため中継衛星を事前に打ち上げて交信経由しての月の裏側への着陸で目新しい技術というものではない。

 気象条件が厳しく苛酷な月の裏側を観測して何かに利用しようというものではなく中国の宇宙技術力の誇示であり、これに中国は「月探査の新たな一章を開いた」(報道)と自賛しているが、これに対して早速米国トランプ大統領は再び月への有人着陸探査衛星(同)の構想を述べている。

 (2)宇宙衛星打ち上げが最も多い中国とこれに対抗する宇宙軍創設を示唆している米国との宇宙競争時代(era of cosmic rivalry)の様相を呈している。時代は確実に変わった。
 かって米ソ冷戦時代にソ連が初めて有人宇宙衛星を打ち上げて地球を周回すると、当時のケネディ大統領は人を月に送り込む有人衛星による月着陸計画を発表して成功させ、今年で50年を迎える。

 そのソ連がロシアに変わり、米ロは宇宙飛行士衛星の打ち上げロケットで協力して国際宇宙ステーションに宇宙飛行士を送り届け、長期滞在をはたしている。

 (3)一方で近年宇宙開発に力を注ぐ中国は、次々と宇宙衛星、有人衛星を打ち上げて独自の宇宙基地滞在も可能にして、これに危機感を持つトランプ大統領は宇宙軍の創設に月に宇宙飛行士を着陸させる構想を述べて対抗、警戒心をかきたてている。

 今や宇宙開発は米ロ協力に米中覇権争いの構図に変化してきた。中国の台頭は米国との米中貿易戦争に発展して、東シナ海、南シナ海での中国の海洋進出でも公海上、自国領有権の米国、日本などと対立して、宇宙開発でもしのぎを削る関係にある。

 (4)宇宙開発では協力関係にある米ロも、核兵器保有では削減軍縮交渉が不発で進まずに、ロシアのクリミア半島編入でEUともども対立状態にあり一筋縄ではいかない。
 米ロ国際宇宙ステーション協力関係が政治的、軍事的にも友好関係を築くことに広がれば、世界の平和秩序(paradigm)に極めて重要な大きい成果といえるのだが、なかなかそうはつながらない。

 あらたに中国の台頭により米中対立が鮮明になって、影響波及は世界を席巻しているのが現状だ。

 (5)これに先立って米航空宇宙局(NASA)は2日に、打ち上げた無人探査機が地球から最も遠くに離れた太陽系外縁天体「ウルティマトゥーレ」に接近した画像を公開した。雪だるまのように大小二つの球が上下にくっついた天体で、天体の凍りついた物質には地球誕生前の原成分が存在するとみられて送ってきた画像の分析、解析が楽しみだ。

 地球も宇宙空間で自転をくり返しながら1年周期で太陽の周りを周回しており、実に不思議な惑星ではある。

 (6)これほどの人類、生命体が住む天体がどこかほかに実存するのか、永遠のテーマではあるが、政治と宇宙開発は別問題という米ロ国際宇宙ステーション協力関係もあれば、米中の宇宙開発覇権競争も現存して、この先地球はどこに集約していくのか、地球人類の頭脳と心と腕のみせどころでもある。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする