いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

軍事情報戦。 military intelligence war

2019-01-19 20:17:32 | 日記
 (1)日本と韓国の非難合戦が続く。歴史認識問題から元慰安婦問題に元徴用工問題と発展し、日本の哨戒機に対する韓国駆逐艦からの火器管制レーダー照射問題で非難応酬だ。
 韓国としては北朝鮮との戦闘モードにあったときは緊張した戦闘体制にあったが、その後米朝首脳会談を受けて南北首脳会談が持たれて朝鮮半島は軍事的緊張関係がひとまず落ち着きをみせていただけに、こうした時に同盟国同士の韓国駆逐艦の日本哨戒機へのレーダー照射事件は理解に苦しむものだった。

 (2)韓国側からすれば日本の哨戒機との識別は可能だったはずで、確認、警告もせずにどうしてこういう行動をとったのかわからないが、その後の両国の説明は同盟国としての行き違いなどではなく互いに相手国を非難しあうというものでエスカレートして、日本側が証拠となる交信記録映像を公表すれば韓国側もそれを使って逆に非難の応酬をするというドロ試合を展開している。

 軍事情報というのはすべてを公開するということになれば、軍事能力が相手側に伝わる、掌握される機密性の高いものだけに互いに証拠を握っているといいながら核心的な部分ではあいまいにして出さずに非生産的な非難の応酬をくり返して問題を複雑化しているだけだ。

 (3)問題は朝鮮半島情勢が米朝首脳会談後、北朝鮮が核実験、ミサイル発射実験をひかえて落ち着きをみせている中で同盟国同士がどうしてこうしたひとつ間違えば一触触発の緊急、緊張状態を引き起こしたのかだ。

 韓国駆逐艦が日本の哨戒機を把握できなかったとは考えられずに逆もまた同じで、日米韓軍事同盟関係国として確認作業をとらずにいきなりレーダー照射をするなどあり得ないことであり、何かの間違いがあったとしても同盟国同士としてその後の非難応酬のエスカレートはあえて取りうる行動ではない。

 (4)日米韓同盟国はアジア、朝鮮半島安定のために共同して軍事訓練も行う緊密な連携関係にあり、こうした日韓の軍事緊張は起きないものと思っていた。
 背景には日韓の元慰安婦、元徴用工問題のしこりが両国政治外交関係の悪化を招いており、北朝鮮の軍事圧力が沈静化している分、韓国としては日本に対して神経をとがらせていることも考えられる。

 韓国政治、軍事事情はわからないが国防白書からはこれまでの北朝鮮の敵視政策が消えて両国の良好関係を目指す姿勢がみえて、日本に対しては日本海の名称変更を求めるなど歴史認識問題を再び問う姿勢も垣間見える。

 (5)そうした中でのレーザー照射事件、問題の発生で、ことが軍事情報の機密性にかかわる微妙な問題でもあり、同盟国同士としての軍事情報戦(military intelligence war)という理解に苦しむ複雑な展開をみせている。

 北朝鮮を有利にするだけで、拉致問題解決を抱える日本にとってはどこに問題があったのか検証の上、早期の問題収束が求められる。

 

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