いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

戦後最長。 maximum length after the war

2019-01-30 20:29:00 | 日記
 (1)政府は2012年12月に始まった景気拡大が戦後最長(maximum length after the war)になったとみられるとの認識を示した。2012年12月といえば前民主党政権に代わって安倍第2次政権が発足した時で、その後のアベノミクス効果による景気拡大を強調してのものだろう。

 政府も「(戦後最長になったと)みられる」と言っているから希望的観測の領域であり、GDP成長率がわずかでもプラス成長に維持されているからだろうが、その成長率も過去の景気拡大期に比べれば低下(報道)しており、いつもながら国民消費者にとっては「実感なき景気拡大」でしかない。

 (2)安倍政権の官邸主導の4年連続の値上げも大企業中心のもので、日本経済の大多数を占める中小企業には波及せずに労働者の実質賃金の伸び率はこれも過去に比べて低く(報道)、国民消費者にとっては景気拡大が実感できない要因だ。

 景気拡大が戦後最長になったと「みなされる」といいながら、その間に生活保護者、世帯は増加を続けているというのはどういう関連性と考えればいいのか。国の統計判断、分析に問題があるのか、生活保護者、世帯に問題があるのか。

 (3)アベノミクス、大胆な金融緩和策は円安株高効果を生んで輸出産業、主要企業、富裕層には有利に働いて、海外からの原材料輸入の高騰を招いて国民消費者には実質賃金の目減りにつながり、経済分断、格差社会をつくりだしている。

 政府の戦後最長の景気拡大礼賛と国民消費者の実感なき景気拡大とそれぞれの向き合う見方、先がまるで違っていることが問題だ。

 (4)政府の大企業、富裕層に向けた顔と国民消費者の実質賃金目減り消費社会に向けられた現実との分断、格差だ。戦後最長の景気拡大を実証、支えているのは企業の500兆円ともいわれる膨大な過去最高の内部留保であり、これらが経済社会に適正に還元されなければ国民消費者の景気拡大の実感は乏しいものになるだけだ。

 (5)安倍首相は今通常国会の冒頭演説でアベノミクス経済効果、政策を自画自賛してみせたが、これまでの羅列で目新しいものはなくこれからの成長戦略に期待はみられずに頼りの経済成長、政策に不安を抱えて、数字だけの戦後最長の景気拡大もそろそろ転換点を迎えそうな気配だ。

 2年続きの政府への疑惑、不正追求の通常国会での政治の劣化、低下を指摘したが、安倍政権、政府の大企業、富裕層を向いて都合のいい統計、数字を強調、駆使して自画自賛し国民消費者の実態、実感とかけ離れた分断、格差社会に目を向けない政治姿勢には信頼と信用が置けない。

 (6)米国ではトランプ大統領の壁建設予算にこだわる議会対立、予算執行停止による連邦政府の一部機関閉鎖の損失が110憶ドル(1兆2千億円)といわれて、壁建設費57憶ドルの倍近くになってこれならすんなり壁建設予算を通しておけばよかったというパロディになりかねない事態だ。

 これもトランプ政権、野党民主党双方の数字、金額上の損得問題というわけにもいかずに、おかしな比較現象が起きている。

 (7)統計、数字が独り歩きして、政治が都合よく利用する国、社会というのはおかしなもので、本当の統計、数字から見える弱者に目を向けた少しはまともな政治、社会体制が見れないものかと思う。

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