いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

英国の混迷とルネッサンス。 chaos and renaissance in England

2019-01-18 20:11:24 | 日記
 (1)英国とEUの離脱合意案が英議会でダブルスコアーの大差で否決された。予想されたとはいえメイ首相の保守党からも100人規模の合意案反対票があって溝の深さ、問題は深刻だ。

 英国としてはできるだけ有利な条件でのEU離脱を目指しても、EU結束が優先されるEUとしてはその後の離脱に続くような英国に譲歩を示すようなEU離脱合意案は認められるはずもなく、「EUの属国になる」(報道)という野党など英議会での大差の否決となった。

 (2)このままでは4月に迫った英国のEU離脱は「合意なき離脱」となって、英国の経済、金融、貿易に大打撃が及ぶことになり懸念されている。国境の入管が厳しくなりとどこおり物流が停滞して、英国人のEU内でのケイタイ使用では国際料金が加算されるなど混乱が指摘されている。

 メイ首相は内閣不信任が否決されて与野党包括した代替案を示すと述べているが、EU側は交渉を拒否しており、EU離脱時期の引き延ばし、国民投票のやり直しも伝えられて混乱を深めている。
 
 (3)合意なき離脱は英国の経済、金融、貿易が大打撃を受けることになるが、トランプ政権のやっていることとどう違うのか、深刻な問題ではあっても世界経済、貿易は米中貿易戦争にトランプ政権の保護主義、米国第一で世界的な関税強化の圧力が強まっており、英国だけの及ぼす深刻な問題ではない。

 英国はかっての大英帝国の権勢、威光からすべり落ちたとはいえ世界金融市場として主要な役割、市場にあり、何度も危機が伝えられながらかっての威光は低下させながらもよみがえって世界に存在感を示してきた。

 (4)今回の英国政治、経済、社会の分断、対立は深刻な問題を抱えて英国の危機に直面して、議会制民主主義発祥の世界金融市場国家としては最大の分断危機を迎えたとみられて、混迷、混乱が続く。

 議会制民主主義発祥の国として分断を乗り越えて英国の復活(restoration)を模索するとみられるが、それが英国議会の伝統、主義、理念であるはずだ。

 (5)前述したように英国のEU離脱合意案の大差の否決、合意なき離脱の混迷、混乱の現実性が強調されているが、トランプ政権の保護主義、米国第一で世界秩序は否定されて米中貿易戦争などで世界経済の不安は増大している。

 世界経済、貿易の混乱、混迷の中で、またひとつ英国の混乱、混迷が発生するということだ。当面は世界経済、金融、貿易、市場の低迷影響は深刻さを増すだろうが、そこからはG7、G20がどうか解決策を協議して対策を打ち出していくのか、やはり米国の動向が焦点だ。

 (6)英国も世界的な流れとして政治力(政治家)は低下して問題解決力を失っており、しかし今回の問題はEU内の問題であり他国が関与できる範囲は限られて、世界経済、金融、貿易に及ぼす影響は大きく、世界の秩序、主義、理念、政治、理想は深刻な危機に直面している。

 英国にはルネッサンス(renaissance)が必要だ。

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